「プロダクトのデリバリーを加速する」--Snowflakeの新CEOが年次イベントに初登壇
同日には、Icebergのオープンなカタログとなる「Polaris Catalog」が発表された。Amazon Web Services(AWS)Google Cloud、Microsoft Azureなど、Icebergをサポートするサービスとの相互運用が可能になるもので、「異なるエンジンのためにデータをコピーしたり動かすのではなく、1つの場所、1つのデータでエンジンを相互運用できる」とRamaswamy氏は説明した。Polaris Catalogは、今後90日以内にオープンソースとして公開される予定となっている。 では次に、変わるものは何か。「プロダクトのデリバリーを加速する」とRamaswamy氏は言い切る。「(早期に)GAにすることで、早く運用環境で利用できるようにする」 その実現に向けて、この数年はデータ、コンピュートなどの面で土台を整えてきた。「(デリバリーを加速する)基盤が完成した。特にAIの領域では、イノベーションのサイクルを数週間、数カ月に短縮することは大きな意味を持つ」(Ramaswamy氏) AIの時代においてデータの重要性はさらに高まり、同社への期待も大きくなっている、とRamaswamy氏はいい、「数年後には、やりたいことをアプリに伝えるだけで、アプリがユーザーを理解するという世界が当たり前になるだろう」と予想した。 一方でSnowflakeは、主に消費者が利用するコンシューマーAIと比べ、より厳しい要件が求められる“エンタープライズAI”に注力しており、信頼性、プライバシー、セキュリティ、コスト管理といった課題をクリアしていく必要があると考えている。目指すのは、簡単で、効率性に優れ、信頼できるAIだ。 それに向けて、SnowflakeではAI研究チームを組成し、トレーニングシステム、マルチモーダル、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)、自然言語処理(NLP)、検索、効率性と大きく6つのテーマに取り組んでいるという。同時に、エコシステムへの投資も継続する。 Ramaswamy氏は、これらの取り組みを通じて、将来を保証しながら、大きな価値をデータからもたらす「AIデータクラウド」を実現すると約束した。 (取材協力:Snowflake)