３回途中から登板した明大中野の田中俐希

◆春季東京大会▽準々決勝　明大中野　８―５　日大豊山（２０日、スリーボンドスタジアム八王子） 　明大中野が日大豊山を８―５で下し、春初の４強入りを決めた。 　先攻の明大中野は３―５で迎えた５回、高岡珀人中堅手（３年）が右中間三塁打を放つと、藤﨑理央左翼手（３年）の内野適時安打で１点を返す。さらに岡田麟多郎二塁手（３年）の右前適時打で追いついた。その裏、先頭打者に三塁打を浴びるも、無得点でしのぎ流れを渡さなかった。こう着状態から８回、藤﨑の右越え二塁打から走者一巡で３安打、３四死球で３得点。勝ち越しに成功した。 　前半はミスも相次いだが後半は自慢の守備力が光り、６～８回は３者凡退。９回には１死満塁のピンチを迎えたが、３回途中からマウンドに立った右腕の田中俐希（２年）が「焦りはなくて、冷静に投げられた」と堂々のピッチングで無得点に抑えた。 　２安打２打点の藤﨑は、初のベスト４を「不調が続いてチームに貢献できてなかったので、なんとか１本出そうと。応援もあったので、気持ちで振り抜いた。うれしい」と喜んだ。大会前、チームの目標は「ベスト８」と掲げられていたが、準々決勝進出後に、ホワイトボードの文字は「関東大会出場」に書き換えられたという。決勝進出の２チームに与えられる切符。「まずは明中の歴史を変えられた。次の試合でも打てるように頑張りたい」と次戦へ気合を込めた。（雑誌『報知高校野球』取材班）