飯田が舞台の「孤独のグルメ」放映 飯田焼肉やトキワ劇場も登場
トキワ劇場(飯田市銀座)や同市内で撮影されたテレビ東京のドラマ「孤独のグルメ」が12月31日に放映された。(飯田経済新聞) 【写真】「孤独のグルメ」撮影の合間に撮影した写真と、トキワ劇場の猫館長「ちゃと」 同劇場を経営する堀秀麿(ひでまろ)社長は、10月に共同テレビから「飯田で『孤独のグルメ』の撮影をしたい」という依頼を電話で受けたという。最初は半信半疑だったという息子の拓磨さんは「本当にテレビ局なのかなと思ったが、10月末にスタッフが来館し、打ち合わせが始まり、本物だと分かった」と振り返る。 撮影は「飯田らしさを出すこと」がテーマの一つだったという。拓磨さんは飯田の名物である「飯田焼肉」を提案し、番組スタッフと共に複数の店を巡り撮影場所の選定を進めた。「ノスタルジックな雰囲気がある店が『孤独のグルメ』に合うと思った」と語る拓磨さん。地元の焼肉文化を広めたいという思いから、特定の店だけでなく、多くの店で提供される肉やタレの違いを楽しんでほしいという意図もスタッフに伝えたという。 撮影は11月24日から26日にかけて行われ、主演の松重豊さんも飯田を訪れた。劇場内の撮影では、「映画館であること」を強調するために、美術スタッフと共に手直しを行いながら進めた。 同劇場は1938(昭和13)年に「劇場 大松座」として開館し、1947(昭和22)年4月20日の飯田大火で焼失したが、1948(昭和23)年12月12日に映画館「常盤劇場」として営業を再開し、これまで地域の文化の拠点として親しまれてきた。「ニュースなどで取り上げられることはあったが、撮影場所として選ばれたのは今回が初めて」と拓磨さん。 実際に放映を見た拓磨さんは「放送時間に比べて撮影時間がはるかに長かったが、一つ一つを丁寧に作り上げていることが分かった」と感想を語る。 同劇場では2月上旬から、映画「孤独のグルメ」を上映予定。同作公開終了時まで、今回の撮影の合間に松重さんがかわいがった同館の猫館長「ちゃと」とのツーショット写真や、松重さんやスタッフが快く応じたというサインや記念写真を劇場内に展示する。 拓磨さんは「撮影現場の雰囲気を感じに、ぜひお越しいただければ」と呼びかける。
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