北海道胆振地方中東部の地震、引き続き警戒が必要 ── 気象庁会見
推計震度分布図で震度7の場所も
6日午前3時7分ごろ、北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード(M6・7)の強い地震が発生した。北海道安平町で震度6強、千歳市で震度6弱の激しい揺れを観測したほか、北海道から中部地方の一部にかけて震度5強~1の揺れを感じた。また、震源に近い複数の観測点からは震度データが入っていないが、他地点の揺れのデータや地盤の揺れやすさを元に出した推計震度分布図では震度7の場所もある。
引き続き大きな地震の発生に警戒が必要
気象庁はこの地震について、午前5時10分、午前10時半と2度の記者会見を開いた。松森敏幸地震津波監視課長は「地震発生後1週間程度は最大震度6強程度の地震に注意を。特に地震発生後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くある。やむを得ない事情がない限り、危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図ってほしい」と警戒を呼び掛けた。今回の地震発生後、6日午前10時時点で震度1以上を観測した余震は44回発生している。
データ未入手の地点が多数
気象庁によると、震源に近い場所で震度5弱以上と考えられる17地点から、震度のデータが入手できていないという。このうちの厚真町の観測点では震度6強、むかわ町の観測点では震度6弱を推計震度分布図から推定しているが、推計震度分布図そのものが過小評価の可能性があり、最大震度が7に更新される可能性もあるという。気象庁は現地に職員を派遣し、データの回収などに取り組むとしている。 過去に震度7が観測された地震は、阪神淡路大震災(1995年1月17日)、新潟県中越地震(2004年10月23日)、東日本大震災(2011年3月11日)、熊本地震(2016年4月14日、16日)。
活断層との関連は不明
今回の地震のメカニズムは、東北東と西南西方向から押し合う力によって地盤がずれ動いた逆断層タイプで、震源の深さは37キロ。今回の地震の震源の西には、石狩低地東縁断層帯と呼ばれる活断層が確認されているが、松森課長は「今回の地震との関連は不明」としている。政府の地震調査研究推進本部によると、同断層帯は主部と南部に分かれており、震源に近い同断層帯南部は、千歳市から安平町、苫小牧市、厚真町を経て、日高町沖合の海域に至る断層帯で、長さは54キロ以上と推定されている。 (取材・文 飯田和樹)