最高額は誰? 世界の一流監督、契約解除金ランキング1~10位。目も眩むような金額で引き抜かれたのは?
3位:ジョゼ・モウリーニョ
生年月日:1963年1月26日 現職:フェネルバフチェ監督 契約解除金:1600万ユーロ(約25億6000万円) 移籍:インテル→レアル・マドリード これまで数々のクラブにタイトルをもたらしてきた優勝請負人として“スペシャル・ワン”の異名を持つジョゼ・モウリーニョが3位にランクインした。 モウリーニョに高額な契約解除金が支払われたのはインテルからレアル・マドリードへの移籍のタイミングである。ポルトでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇、チェルシーでプレミアリーグ2連覇と輝かしい実績を持つモウリーニョは、2008/09シーズンから3ヶ国目のリーグとなるセリエAのインテルの指揮官に就いた。 数シーズン前からリーグ戦では連覇を達成し、すでに黄金期に入りつつあったインテルにおいて、モウリーニョが託されたのはCL制覇だった。そしてそのミッションを「3冠」というこれ以上ない形でクラブに還元したモウリーニョはまさに“スペシャル・ワン”と呼ばれるに相応しい存在である。 そして、1600万ユーロ(約25億6000万円)という高額な契約解除金を支払ってモウリーニョを連れてきたレアル・マドリードもまた、同様のミッションを掲げていた。 最近ではマドリーのCL制覇は定番となりつつあるが、2004/05シーズンから2009/10シーズンまでは6年連続でラウンド16敗退と、なかなか欧州一の称号を手にすることができないでいたのだ。モウリーニョはポルトやインテルでのCL制覇の経験を糧に奮闘するものの、結果は3年連続のベスト4。ミッション遂行とはならず2012/13シーズン終了後にクラブを退団している。 奇しくも、その翌シーズン以降、マドリーは欧州で圧倒的な権力を誇ることになり、2017/18シーズンまでの5年間で4度の欧州制覇を成し遂げた。
2位:グレアム・ポッター
生年月日:1975年5月20日 現職:フリー(無所属) 契約解除金:2500万ユーロ(約40億円) 移籍:ブライトン→チェルシー 2位にランクインしたグレアム・ポッターは当ランキングで現在唯一の“無職”である。 ポッターが監督キャリアとして始めて指揮を執ったのはスウェーデン4部のエステルスンドというクラブで、約7年半もの間にクラブを1部リーグまで昇格、また、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の本選をかけた予選を見事に突破し、本選でもグループステージ突破という快挙を達成した。 ポッターの遂行するサッカーは、ボールポゼッションを基本としながら、守備ではオールコートマンツーに近い戦法を取る。2018/19シーズンに就任したスウォンジー・シティでは結果を残せなかったものの、その攻撃的なサッカーが評価され、ブライトンに引き抜かれることになった。 ちょうどその頃のブライトンはというと、プレミアリーグに昇格して1年目の2017/18シーズンから2年連続で残留争いを続けており、ポッターはそんなクラブを3年間かけて鍛え上げ、2021/22シーズンには当時のクラブ史上最高順位である9位を記録することに成功した。 特にシーズン終盤戦には、アーセナル、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドにも勝利しており、緻密に練られた3バック戦術は格上クラブをも叩きのめす威力を持っていた。 ただ、2500万ユーロ(約40億円)もの契約解除金とともに引き抜かれたチェルシーではその実力を発揮できずに1シーズンを持たずして解任。もっと多くの時間が与えられていれば戦術を浸透させ、ブライトンで見せたようなスペクタルなサッカーが披露できた可能性もあったが、行き先が循環の早いチェルシーだったという点は、ポッターにとっては不運だったかもしれない。