望月歩“虎之介”の優しさが泣ける…そんな彼を叱咤した愛莉(見上愛)の真意は? ドラマ『マイダイアリー』第2話考察レビュー
毎週日曜夜10時より放送中のドラマ『マイダイアリー』。本作は、清原果耶が演じる、社会人になった主人公・恩村優希が、大学時代を振り返り、何気ない日常や仲間との繋がりをノスタルジックに紡いでいくヒューマンドラマ。さっそく、第2話のレビューをお届けする。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】望月歩の優しさが沁みる…貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『マイダイアリー』劇中カット一覧
純粋すぎるがゆえの生きづらさ
多少のズル賢さや図々しさを持ち合わせている方が、社会で生きやすいといわれることは少なくないように思う。『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)2話では心優しく、純粋すぎるがゆえの生きづらさがテーマになっていた。 虎之介(望月歩)は、バイト先のファミレスでいつも食事をしている社会人の女性・美鈴(是永瞳)のことがいつからか気になるようになる。彼は美鈴の指のささくれに心痛めていた。 ある雨が降る夜。虎之介は、ファミレスの前でうずくまっている彼女を見かけた。虎之介は美鈴に「俺が個人的に差してるだけなんで…気にしないでください」と伝え、彼女を傘で雨から守り、そのまま自宅に送りとどける。 虎之介は美鈴が部屋に入るとき、かすかな声で「助けて」と、つぶやいたのを聞き、彼女の家に入ることを決める。彼は美鈴の部屋の散らかりように驚きつつも、自分は暇だからと片づけてあげる。 「部屋の状態は心の状態を表す」といわれることは多いが、散らかった部屋の状態は、美鈴の心の乱れを表しているように思える。虎之介は散らかった部屋を美鈴の心と重ね合わせ、放っておけなかったのかもしれない。
美鈴(是永瞳)が体現する現代の女性像
虎之介が部屋の片づけを終えた後、2人の間に束の間の穏やかな時間が流れる。しかし、虎之介の「社会人ってなんで社会人っていうんですかね。ちゃんと社会に出ないと、人として認められないってことなんですかね」という言葉が彼女の弱った心に再び波風を立ててしまった。 「社会人になるってね、生きてるふりがうまくなることだよ。生きてるかわかんなくなっちゃった」 美鈴は社会人として生きることにつらさを感じているようだ。彼女はいかにも真面目そうで、小綺麗であり、平凡なOLという印象を抱かせる。また、部屋は広く、マンションも立派であることからも、経済的にある程度恵まれていることが察せる。 具体的な描写がないのであくまで想像でしかないが、美鈴は会社ではうまく立ち振る舞い、周囲からはその場にうまく適応しているように見えているのではなかろうか。 現代において美鈴のような女性は少なくないように思う。都心には髪をきれいにセットし、オフィスカジュアルに身をつつんで器用に歩く女性たちがあふれている。しかし、彼女たちの心の中は他人にはわからないし、彼女たちも美鈴のように生きてるふりがうまいだけなのかもしれない。