望月歩“虎之介”の優しさが泣ける…そんな彼を叱咤した愛莉(見上愛)の真意は? ドラマ『マイダイアリー』第2話考察レビュー
愛莉の強い優しさで変わった虎之介の心
翌朝、虎之介は美鈴に朝まで寄り添っていたため寝坊し、企業インターンの面接に遅刻した。受付担当者の彼への対応は淡々としており、彼への同情は一切ない。社会人として生きるとはどういうことなのか、この一場面が物語っているような気もする。あるいは、虎之介のような心優しすぎる人は、社会人にはなれないのではないかとも思える。 虎之介はファミレスで、優希(清原果耶)、広海(佐野勇斗)、愛莉(見上愛)、まひる(吉川愛)らに昨夜からの出来事を話す。虎之介が「(面接を)すっぽかしてしまったからです!」と明るく言うと、愛莉はその理由を厳しく問う。愛莉は虎之介が美鈴に寄り添い続けた結果、面接に遅れたと知ると、彼を厳しく咤した。 「そんな自分を犠牲にして誰かを癒してあげるなんて、そんな関係、恋なわけないじゃん」 愛莉は自分を犠牲にしてまで相手に尽くす関係は辛いことだと考えており、虎之介には悲しい思いをしてほしくないと思ったのだろう。愛莉のこの一言には強い愛情と優しさが感じられる。 虎之介は「俺みたいな平凡な人間にはね、こう、ケガしてる人に絆創膏あげるみたいな、そんくらいのことしか できることってないんだよ」と自らの心境を口にした。 虎之介は本当に優しく、お人好しなのだろう。しかし、彼が自虐しているように、自らの弱さが優しさというかたちで表れているのも確かなはずだ。 愛莉の一言に心打たれた虎之介は、美鈴とは会わないことを決めた。最後に、彼女のささくれた指に絆創膏を優しく貼ってあげて。 虎之介がもう少し強くなり、自信をもてるようになったら、大切な女性を自分を犠牲にせずとも守れるようになるだろう。 【著者プロフィール:西田梨紗】 アメリカ文学を研究。文学研究をきっかけに、連ドラや大河ドラマの考察記事を執筆している。社会派ドラマの考察が得意。物心ついた頃から天海祐希さんと黒木瞳さんのファン。
西田梨紗