王将戦第1局は藤井八冠が先勝!対局前には部屋の“照明”をめぐりバチバチ火花も!?
藤井八冠の新年初のタイトル戦が1月7日から始まった。対局相手は、“振り飛車のスペシャリスト”菅井竜也八段。藤井八冠が勝利を手にした第1局だったが、2人の戦いは対局前から始まっていた。
対局場の“照明”をめぐり、対局前に異例の物言い
1月7日より始まった、王将戦七番勝負の第1局。藤井八冠はタイトル戦で初挑戦から負けなしの連続獲得・防衛19期。この記録は、大山康晴・十五世名人の歴代最多記録と並んでおり、このシリーズを制すると最多記録更新を果たすこととなる。 これを阻止しようと、藤井八冠に挑むのが、菅井竜也八段。120手で藤井八冠が勝利をおさめた戦いだが、2人の戦いは対局前から始まっていた。
1月6日、対局場の明るさなどを確認する”検分”に訪れた藤井八冠と菅井八段。場内の明るさを見て、「一旦(カーテンを)閉めた状態でみせてもらっても」とお願いをした藤井八冠。カーテンを閉めた状態の明るさを確認し、「じゃあ、これでお願いします」と藤井八冠が話すと、菅井八段からは「(今の状態は)少し暗く感じます」と意見が出るなど、明るさの調整を巡って議論になる一幕も。
また、対局前に行われた記念撮影でも、柔らかい表情で撮影に応じる藤井八冠に対し、菅井八段は硬い表情を浮かべるなど対照的な雰囲気が漂っていた。 “盤外戦“は昼休憩の時間にも垣間見えた。1時間ある昼休憩、7日に菅井八段は、わずか10分ほどで「鰻重」を平らげ、次の一手を考える力の入れよう。8日の昼休憩でも、「手打ち蕎麦」を注文したが、わずか9分で対局場に戻るなど、並々ならぬ気合で対局に臨んでいた。
「”振り飛車”の可能性を結果で示したい」
対局前の取材にて、「今やっぱり”振り飛車”が苦しいといわれている時代ですけど、十分通用するんだぞっていうところを結果で示したいと思っています」と語っていた菅井八段。「振り飛車」とは、序盤で飛車を動かす戦法のこと。対局相手となる藤井八冠は、飛車を最初の位置にすえて戦う「居飛車」を得意とし、将棋AI的には「居飛車」の方が評価が高いといわれている。