横浜DeNAベイスターズ × 福岡ソフトバンクホークス 両チームが語るそれぞれの強みと”ユニフォーム配布イベント”誕生秘話~横浜スポーツビジネススクール~
一方、ベイスターズの特徴は何か。林さんは「企画や演出が私たちの強みだと思います」と明かす。 ベイスターズはDeNAが球界に参入してから今年で12年。その間、従来では類を見なかった斬新な企画や横浜スタジアムでの演出を披露し、スポーツ界のみならずビジネス界からも注目を浴びてきた。 今シーズンも本拠地開幕戦で、主将の佐野恵太選手が試合前のセレモニーでスタジアムの上空を飛ぶ演出を行った。 6月30日~7月2日の中日戦では「ポケモンボールパーク ヨコハマ」を開催し、選手がピカチュウのヘルメットを着用してプレーするなどそのアイデアは鋭さを増している。 これらを実現するためには、選手側の協力が必要不可欠。実施に至った過程や選手たちとのやりとりについて明かしてくれた。 「チーム側も事業側の取り組みについて理解いただいているのが大きいですし、我々もファンが増えることによる選手たちのメリットも含めることで理解してもらえるよう説明しています。 ピカチュウヘルメットの時も、最初は(選手が)面食らったと言いますか、『本当に被るの?』というリアクションも実際はありました(笑)ただ、事前に説明もしますし、結果どうだったかフィードバックもしっかりやろうと決めていて、ファンからの喜びの声やデータも交えて必ず共有しています」
ユニフォーム配布の”元祖”が明かす開始のきっかけ
中盤からは受講者からの質問に答えながらセッションが進んだ。その一つに挙がったのが来場者へのユニフォーム配布イベントについて。 現在ではほとんどの球団が毎年行っており、配布日は各球場が満員になる人気イベントであるが、これを最初に行ったのがホークス。ダイエー時代の04年に、第1回目の鷹の祭典で配布されたのが始まりだった。 球界全体に波及した画期的アイデアが生み出されたきっかけについて、白川さんは当時を知る立場として話した。 「03年に阪神タイガースとの日本シリーズで甲子園球場に行った時でした。とにかく驚いたのは、ユニフォームの着用率なんですよね。既に電車の中でもみんな着ているじゃないですか。 当時ホークスでは球場に来てユニフォームを着ている人が少なかった。なので、”球場でユニフォームを着る”ことを定着させたいと考えて一番最初に始めたのがその04年でした」 ただ、実施に至るまではハードルがあった。当時の大変さについても明かしてくれた。 「配るって言ったら、グッズのチームが『ユニフォームが売れないじゃないか』という反発があったり、チケット側では『確かに売れるかもしれないけども、その前後に偏って他の試合が売れなくなるのではないか』と今では絶対ない議論なんですけどもありました」 そこで提案したのは、イベントのスポンサー獲得を約束することだった。収益を確保することで実現し、約20年続く大人気イベントへと成長していった。
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