【高校ラグビー】倉敷 文武両道、灘中出身WTB宮崎「自分たちのラグビーを出し切って」
◇全国高校ラグビー大会1回戦 倉敷29―12九州学院(2024年12月28日 花園ラグビー場) 文武両道で競技に励む男が勝利をたぐり寄せた。4点劣勢で迎えた後半6分。倉敷のWTB宮崎は右中間に飛び込む逆転トライを挙げると、同22分は中央へ2本目のトライ。相手の戦意をそぎ落とし、「みんながつないでくれたので、絶対にトライする気持ちでいきました」と喜んだ。 偏差値70を超える兵庫・灘中の出身。「ラグビーと勉強を両立したい」と倉敷高にやって来た。中高一貫校でほぼ全員が灘高へ進む中で「自分でもだいぶ珍しいと思う」と異例のルートを選んだ。 厳しい練習のかたわら、文武両道を貫いてきた。眠い目をこすって夜中3時に起床し、朝練前に勉強時間を確保。第1志望の京大理学部合格を目指し、「1日の時間は短いけど、それをどう使うかによって変わる」と大会中も宿泊先で4時間ほど机に向かう。自身がアレルギー体質で苦しんでいることもあり「アレルギーを治す薬をつくりたい」と将来を思い描く。 中学生の頃は「夢のまた夢」と思っていた大舞台での躍動。次に見据えるのは同校初の2回戦突破だ。「負けたら終わりなので、自分たちのラグビーを出し切って勝っていきたい」。高校最後の冬で完全燃焼し次の夢へ歩み出す。 (山手 あかり) ◇宮崎 凜(みやざき・りん)2006年(平18)5月2日生まれ、大阪府出身の18歳。父の影響で5歳から阿倍野RSでラグビーを始め、兵庫・灘中を経て倉敷高に進学。50メートル走6秒4。1メートル74、76キロ。WTB、CTB。