期待に応えられず…。欧州、今季ガッカリの名将(3)日本人選手もフィットせず…。昨季から大転落
これまで数々の実績を残してきた「名将」であっても、新天地で期待されているような成績を残すことは保証されていない。佳境を迎えている2023/24シーズンも様々な理由から多くの監督が苦戦を強いられている。今回は、今季ガッカリな成績に終わった名将をピックアップして紹介する(成績は5月13日時点)。
マウリツィオ・サッリ(ラツィオ) 生年月日:1959年1月10日 今季リーグ戦成績:28試合12勝4分12敗(9位で退任) 昨シーズンにラツィオは、マウリツィオ・サッリ体制2季目にしてセリエAで優勝したナポリに次ぐ2位でフィニッシュ。12シーズンぶりにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得するなど大成功のシーズンを過ごしていた。 そして迎えた今シーズンは12年ぶりの世界最高峰の戦いに臨んだが、開幕前から調子が上がらなかった。0-3で敗れたアストン・ヴィラとのプレシーズンマッチではほぼフルメンバーで戦いながら、シュート本数27-3で完敗。不安が残る中で迎えたレッチェとの開幕戦に1-2で敗れると、続く昇格組のジェノアとの第2節でも0-1で敗北を喫した。 開幕から不安定だったのはチームの象徴的な存在だったセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチの退団の影響があまりに大きい。サッリ監督は攻守に彼を軸に据えて戦っていたが、核となる選手を失うと、昨季のようなアタッキングなフットボールは影を潜めた。鎌田大地をはじめとした新戦力もほとんどフィットすることなく、大エースのチーロ・インモービレの不調も尾を引いた。 それでもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではグループEを2位で通過して20シーズンぶりの決勝トーナメント進出を果たした。ただ、3月の退任直前は各選手の長所を引き出せなくなってしまい、公式戦4連敗と組織として完全に崩壊。サッリが率いた約2年半でラツィオはCL出場権を獲得など目に見えて成果を残したが、最後は後味悪い形で終わりを迎えた。
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