開催の概要を説明する日本陸上競技連盟の高岡寿成強化委員会シニアディレクター中長距離・マラソン担当（代表撮影）

　日本陸連は１１日、２８年ロサンゼルス五輪のマラソン日本代表選考に「ＭＧＣファストパス」と名づけた早期内定方法の導入を発表した。五輪メダル獲得を見据えたもので、同連盟が定めるレースで男子は２時間３分５９秒、女子は２時間１６分５９秒を突破すれば得られる。 　保有者は条件を満たせば、２７年３月に五輪代表内定。男子は日本記録より５７秒、女子は２分も速い高いハードルだが、高岡寿成シニアディレクター中長距離・マラソン担当は「世界（の走力）はこのようになっていると、選手や指導者の努力の指標となれば」とタイム設定の意図を説明した。 　ファストパスは特例で、従来通りの五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ、２７年秋）の開催も発表。ファストパス獲得者がいなければ、男女上位２人が一発内定し、３人目は同連盟が定めた対象レースを経て決まる。 　一発勝負で公平性を保ち、レースへ向けて選手の計画性も計ることができる。この選考方法の東京五輪から２大会で男女の入賞者が出た。高岡氏は「勝負強い選手、勢いのある選手の五輪派遣ができた」とメリットを挙げた。