米紙が指摘「ロシア軍トップの暗殺は、ウクライナをむしろ窮地へ追いやる愚策だ」
ロシアの首都モスクワで17日、ロシア軍の幹部ら2人が爆発によって命を落とした。死亡したのはロシア軍で生物・化学兵器などを担当する部隊のトップ、イーゴリ・キリロフ中将と、その補佐官だ。キリロフの住まいの玄関付近に置いていたスクーターに仕掛けられていた爆発物が爆発したという。 プーチンの顔に泥を塗った“ロシア暗殺部隊”のあり得ない大失態
キリロフとは何者か
殺される前日、ウクライナはキリロフが「禁止されている化学兵器をロシア軍が大量に使用したこと」に関与したとして告発していた。戦争開始以来、彼の命令により、ロシア軍は化学兵器を戦場で4800回以上使用したと指摘している。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、ウクライナは「ロシアが使用する化学兵器には、刺激性のCSガスなどを使った戦闘用手榴弾が含まれることが多い」と主張している。ロシアを含む150ヵ国以上が批准している化学兵器禁止条約の下、戦争での使用が禁止されている兵器だ。 またロシアメディア「モスクワ・タイムズ」によると、キリロフは、西側諸国のバイオ研究所が「新型コロナウイルスなどの感染症の拡大と関係している可能性がある」と主張していたことで知られていた。 さらに、米国が「ウクライナに生物兵器を提供しようとしており、そのなかにはマラリアに感染した蚊を使ってロシア軍を標的にするという計画」がある、またウクライナは「核物質を撒き散らす兵器を開発している」などとも主張してきた。
COURRiER Japon