WRC2024第3戦サファリ・ラリープレビュー“晴れても地獄、降っても地獄”
緒戦のモンテカルロとスウェーデンはヒョンデが好調でした。しかし今シーズンから始まった新ポイントシステムのため以前ほどポイント差は広がっていません。最終日単独ポイント制が機能しているようです。選手たちがこれをどう評価しているかわかりませんが競技性が高まったことは間違いないようです。まだ先は長いので注視しましょう。
もうひとつの話題はWRC-2の台頭でしょう。長い間ヒョンデ、トヨタ、フォードと3社のみ、実質ヒョンデとトヨタの一騎打ちの連続でチャンピオンシップが競われてきましたが少なくとも5社以上ないと真の選手権とは云えないとR-1の将来を危惧する空気がFIAの中から出てくるのは当然の成り行きです。サービスポイント制限なし、SS500キロ以上、メカニック数制限なし、ヘリの使用OK等々、肥大化に伴う費用の拡大で新規参加メーカーが入りにくい状況を改善するため現在の規則が採用されました。昔に比べ費用を少なくし新規参入を促したわけですがそれでもメーカー数は増えていません。コンパクト化されたWRCのR-1クラスはエンジン出力増大、空力部品のためより高性能化し公道レースのようになりました。一方、程々の性能を持つR-2車両には長いあいだ車両を提供しているシュコダ、フォードに加えヒョンデ、シトロエン、VWに加え今年からトヨタ・ヤリスが大挙参戦。スウェーデンではクラス優勝は逃しましたものの多数のヤリスが上位に入りました。
R-2のリストリクターをもう少し広げてやればR1とR2の併合もできるかも知れません。
車が増えればドライバーも増える、そしてその中から若いチャンピオンが出るような改革がWRCの将来像になって欲しいですね。
さて、昨年70周年を迎えたサファリは1953年にエリザベス女王戴冠を記念してケニア、ウガンダ、タンザニア3国を舞台に開催された約6000キロの壮大なラリーでした。ラリーの正式名称は70年の間に数回変わりましたが現在はWRC Safari Rally です。