次期復興方針早期策定を 交付金など見直し議論受け 内堀福島県知事 政府に要望 「国の責任」言及 支援継続求める
今回の緊急要望の背景には、震災と原発事故からの復興に対する国の「風化」への県の懸念がある。14日のレビューでは復興事業に関し、一律で国が負担する支援内容や対象地域の見直し、終了すべき時期などが「前触れなく」(県幹部)提言され、「政府内で復興に対する温度差が生じている」と動揺が市町村に広がった。 1年4カ月後に迫った第2期終了を契機とする事業や予算の大幅縮小を防ぐため、復興に携わる「国の責任」を要望で打ち出すとともに、予算編成などの前提となる復興基本方針への地元意向の反映を強く求めてくぎを刺した格好だ。 内堀知事は要望後、「地元の声を大臣に訴え、認識を共有できた」と述べ、関係省庁と必要な予算や事業などの議論を続ける考えを示した。 ■内堀知事による主な緊急要望項目 ▼国の社会的な責任を踏まえた福島県の復興・再生の推進。復興に前面に立ち、最後まで責任を持った取り組み ▼第2期復興・創生期間後の復興の基本方針の早期提示。策定に向けた地元の声の傾聴、復興に必要な取り組みの反映
▼復興庁を司令塔とした関係省庁の連携、現場主義の徹底。復興・創生に向けた取り組みの県内全域への一体的・中長期的な推進 ▼福島再生加速化交付金の現行の仕組みでの長期的かつ十分な予算の確保。制度拡充などを通じた柔軟で使いやすい仕組みの構築。福島生活環境整備・帰還再生加速事業の現行の仕組みでの継続 ▼農林水産物の価格差の回復、県産品などの流通促進と販路回復・定番化、観光誘客の促進など、県全域を対象とした十分な予算確保 ▼2019年策定の「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」の早期改定に向けた議論の促進 ▼自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金の2025(令和7)年度以降の現行の仕組みでの継続と十分な予算確保、市町村の意見や地域の実情を踏まえた運用