若者が祭りの大ピンチを救う?!ド派手な衣装で踊り歩く岐阜県・中津川市の「杵振り踊り」
2024年4月14日(日)、カラフルな踊り子たちが山奥で大行進する「杵振り踊り」が開催された岐阜県・中津川市の蛭川地区。リポーターの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が、その祭りにアツい思いをかける「OMATSURIちゃん」を探しました。 【動画】男40人の踊り子に待ち受ける「杵振り踊り」の衝撃的なラストスパートはこちら【9分25秒~】
赤・青・黄のカラフルな衣装に"ドでかサウナハット"を身にまとう
中津川市・蛭川地区の公民館に集まっていたのは、赤・青・黄のド派手衣装やサウナハットに似た形状の大きな帽子をかぶった男たち。衣装の意味を尋ねました。 (杵振り踊り保存会・林松幸会長) 「餅つきをうつ臼、でこの杵を振る」 実りの象徴である餅つきの道具、臼(うす)と杵(きね)を模して「五穀豊穣」を願う祭具。色もそれぞれ赤が太陽、青が雨、黄が穀物という意味が込められています。 正午過ぎ、「杵振り」が公民館を出発。蛭川伝統の祭り囃子(ばやし)に合わせて天狗や鬼など、総勢150人で進む大行列です。その中心には、臼をかぶって杵を振る独特なスタイルで舞う約40人の踊り子たちがいました。この踊りが蛭川地区に400年続くといわれる「杵振り踊り」です。 地元で愛されるこの祭りは、昭和の国民的映画「男はつらいよ」の第44作「寅次郎の告白」の舞台にもなり、当時は町をあげての一大イベントとして盛り上がったといいます。町には、今でも映画の主人公・寅さんを演じた渥美清さんの手形とサインの石碑が建っています。
10秒でたったの3歩… 踊り子たちの根性
「杵振り踊り」のゴール「安弘見神社」までは、約2kmもあり2時間以上も要するとのこと。しかもこの踊りは、3歩進むのに約10秒かかるというかなりの苦行でもあります。途中何度かある休憩地点が、踊り子たちにとってわずかな気分転換です。 まだ祭り序盤にもかかわらず、わらじを両足履き替えたのは、初参加で高校2年生の長谷川煌真くん。そして、高校3年生の藤原羽流樹くんも初参加です。以前まで40人の踊り子に対し、定員超過で参加できない人が出るほどでしたが、今では希望者を全員入れても定員割れ。これまで18歳以上で行われてきましたが、2024年は15歳から参加可能になりました。初参加の2人に参加理由を伺うと…。 (初参加・長谷川煌真くん) 「無くなっちゃったら困る。蛭川の唯一の魅力」 (初参加・藤原羽流樹くん) 「『若い人たちでもやっているんだぞ!』そういう意思表示がしたい」 先輩からのアドバイスは、一生懸命ではなく"余裕を見せること"。必死な感じは見苦しいため、足が疲れて上がらない時こそ、しっかり足を上げて踊ることが大切だと言われたそうです。