再戦決定の井岡一翔「もう一度はい上がる姿を」 “負けたら引退”の覚悟変わらず「甘い世界ではない」
◇WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者 フェルナンド・マルティネス 《12回戦》 同級6位 井岡一翔(2024年12月31日 大田区総合体育館) 前WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔が18日、都内で会見し、現WBA同級王者マルティネスと大みそかに大田区総合体育館で再戦することを発表した。WBA王者として臨んだ今年7月、王座統一戦で判定負けを喫した因縁の相手とのダイレクトリマッチ。過去3戦全勝と得意とする再戦で無敗王者への雪辱を果たし、世界王座返り咲きを狙う。 13度目の大みそか決戦へ、井岡が再び立ち上がる。スーツ姿で引き締まった表情で会見場に登場すると、リモート参加のマルティネスの前で決意を表明。「前回負けているので必ずリベンジしたい。大みそかにもう一度決着をつけられるというのは特別な思い。節目の日になる」と覚悟を口にした。 今年7月、当時IBF同級王者だったマルティネスと王座統一戦で激突。初回に左ボディーを効かせたものの、以降は見せ場をほとんどつくれず。打ち合いに敗れ、ジャッジ1人がフルマークで相手を支持するなど完敗に終わった。WBA王座から陥落し「果てしなく悔しい気持ちだった」と振り返った。 それでも「もう一度はい上がる姿を見せたかった。敗者として自分を受け入れ、彼に勝ちたい気持ちが強くなった」と再起を決意。マルティネスも10月にIBF王座を返上し井岡戦を選択。借りを返すこれ以上ないチャンスが訪れた。 再戦はこれまでに3度経験。18年大みそかに敗れたニエテスには、22年のリマッチで大差判定勝ち。過去3戦はいずれも初戦より圧倒する勝利で、再戦では無類の強さを発揮してきた。次戦への対策は「ほぼ言えない」とけむに巻いたが「負けた相手に対して破壊と再生の中で自分を大きく変えるチャンス。情報をどううまく使うか」と前回の自分超えを宣言した。 キャリア最終盤に差しかかる35歳。「次があると思ってやっていける甘い世界ではない。一戦一戦覚悟している」とこれまで同様“負けたら引退”の覚悟は揺るがない。因縁の相手に雪辱を果たし、元世界4階級制覇王者が健在を証明する。 (伊東 慶久) ▼マルティネス 井岡はとても強くパワフルな選手。前回は多くの人が喜んでくれる試合をすることができた。(ダイレクトリマッチを認めないIBFの)タイトルを失っても再戦がしたかった。