リーグワン連覇の鍵は? BL東京・ブラックアダーHC「ハードワークせずに勝利はない!」
悲願のリーグワン初制覇から1か月弱が経過した6月18日、東芝ブレイブルーパス東京定例会見が行われた。ニュージーランドへ帰国したトッド・ブラックアダーHCはオンラインで参加、『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24』優勝の要因を口にした。 【PHOTO】荒岡義和社長、薫田真広GM 「結果として優勝できて、この上なく選手を誇りに思う。当初カンファレンス分けで難しいグループに入ったと思ったが、最終的にタフな戦いを毎試合戦うことが成長につながり、優勝の要因になったと思う。また先を見過ぎずに、目の前の一戦一戦に集中したのも良かった。かなりメンバーを入れ替えて戦ったシーズン。選手層に厚みが出た。終盤は選手たちが責任を持ち、イニシアチブを取って準備を進めた。選手たちのそうした成長も感じた。もちろんリッチー(・モウンガ)とシャノン(・フリゼル)というビッグネームもチームの大きな力になったが、プレーオフではチームのディフェンスシステムを信じて実行できたのが大きかった」 連覇の鍵を質問されと、指揮官はこう返答した。 「連覇はそんなに意識せず、今季良かった点をさらに伸ばすことを考えている。若い選手も伸びてきているので、さらなる成長を促していきたい。あとコーチとして、チームのマインドセットの再設定をしなければならない。来季『今季も勝てるだろう』と先を見る選手も出てくると思うので。言えることは『ハードワークせずに勝利はない』ということ」 来季はプレーオフに6チームが参加する新たな大会方式が議論されているが。 「かなり求められるもののレベルが高くなるシーズンになると思う。来季は5連戦の後にバイウィークとなるのが基本だと聞いているので、ローテーションが試されるシーズンになると思う。また1位か2位にならないと、POが3連戦になる。より1・2位になるメリットが出てくると思う。来季はチーム間の戦力差も縮まり、総力戦となり順位表も変わってくると思う」 会見では荒岡義和社長が今季の事業面を評価し、薫田真広GMが今季のチームスタッツを総括。スポンサー、チケット、グッズ、ファンクラブ、アカデミーなどの事業売上高は昨季比153%の6億2400万円となり、競技面では「トレーニングのバランス」「早いラインディフェンスへの対応」「ディフェンスストラクチャーの変更」「セットピースの安定」「ペナルティーの減少」に取り組んだ結果、ディフェンスが強化され、勝負強さを取り戻した。 荒岡社長「『ワールドカップ』の火を消さないように、新たなファン層の獲得の施策が実を結んだと思う。スポンサー、チケットに頼らない収益構造ができつつあると思う。(来季は)特効薬があるわけではないので、地道に活動を続けていくしかない。あと飽きられないような施策を毎年考えないといけない。我々ブレイブルーパスとしては優勝した後のシーズン、知名度が上がり、特別なシーズンとなるので、チャンピオンチームとしての施策を考えていきたい。優勝効果で来季どこまで伸ばせるかというフェーズに入る」 薫田GM「東芝にGMとして戻ってきて3年、2025年に東芝は150周年を迎えるが、そこに向けてやってきた中、1年前倒しに結果を出すことができた。新星東芝のシンブルとなるために、どうしても結果がほしかった。選手、監督、GM、それぞれの立場で優勝させてもらったが、優勝の喜びは一瞬でホッとした気持ちになった。3回とも同じ気持ちになった。連覇に向けて、いかに進化と変化をするか。今季のレビューをして来季の進化と変化をしっかりしていきたい。『猛勇狼士(もうゆうろうし)』という言葉を掲げて本当に良かった」 薫田GMは日本代表合宿に参加しているHO原田衛への期待とともに、FL佐々木剛をエディー・ジョーンズ日本代表HCに推薦した。 「(佐々木は)昨季もいいパフォーマンスをしていたし、ポテンシャルもある。逆にエディーに選んでほしいくらい。マオリ・オールブラックス戦に期待したい。原田とかは選んでもらって、彼は日本を背負う選手だと思う。イングランド戦のメンバーもそろそろ発表なんで、スタートから出てほしいと思う」
