兵庫県知事選17日投開票 県政立て直し争点に 過去最多7人が論戦
斎藤元彦・前兵庫県知事(47)の失職に伴う知事選は17日、投開票される。前同県尼崎市長の稲村和美氏(52)、再選を目指す斎藤氏ら過去最多の計7人が立候補し、激しい論戦を繰り広げている。斎藤氏がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題をきっかけに混乱した県政の立て直しが主な争点。どのような民意が示されるのか注目される。 【写真で振り返る】出直し選への出馬を表明した斎藤知事 斎藤氏はSNS(ネット交流サービス)を積極的に活用し、無党派層の取り込みを図る。X(ツイッター)のフォロワー数は再選出馬を表明した9月末(約7万人)から倍以上の約17万人となった。街頭演説には多くの支持者らが集まり、注目を集めている。 稲村氏は政党からの推薦、支持は求めていないが、自主投票を決めた自民党の一部県議のほか、立憲民主、国民民主両党の議員らが支援する。14日には県内29市のうち22の市長が尼崎市長を務めた稲村氏の手腕を評価し、支持を表明。首長との連携も深めている。 元参院議員の清水貴之氏(50)は幅広い支援を得るため、日本維新の会を離党。自民の神戸市議団からも応援を受ける。共産党の推薦を受ける医師の大沢芳清氏(61)は政権批判票の獲得を狙う。 ほかに、レコード会社経営の福本繁幸氏(58)▽政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)▽ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)も立候補している。 文書告発問題は、元県西播磨県民局長の男性が3月、斎藤氏のパワハラなどの疑惑を一部の報道機関や県議に匿名で配布したことで表面化した。元局長は7月に死亡。県議会は百条委を設置し、疑惑について調査していたが、斎藤氏は告発内容を一貫して否定した。県議会は9月、斎藤氏の不信任決議を全会一致で可決。斎藤氏は同30日に自動失職し、出直し選となった。【栗田亨】