コミケ参加も好評 “ラスボス”小林幸子の復活への道
演歌歌手・小林幸子が再ブレークの兆しを見せている。小林は12年4月に個人事務所の元社長らとの間で起きた“お家騒動”により、それまで33回連続出場していた「NHK紅白歌合戦」の出場を逃し、当時の所属レコード会社との契約を解除するなど、激しい逆風に見舞われた。 「小林さん、個人事務所の元社長、双方にそれぞれの言い分があり、どちらの言っていることが正しいのかは当人同士にしか分かりませんが、業界内は裏方の人間の方が圧倒的に多いですからね。少なからず、個人事務所の元社長という裏方の人間とトラブルになった小林さんに対する業界内の風当たりは強かったと思います。『紅白』落選に関しても、その影響は多分にあったのではないでしょうか」(別の芸能プロダクションマネジャー) だが、昨年9月にニコニコ動画に「【初投稿】ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載っぽく歌ってみた【幸子】」の動画を投稿すると、わずか2日間で100万再生を突破。「ニコニコ超パーティー」や「ニコニコ町会議」などにも出演し、昨年おおみそかには“ひとり紅白”こと「ニコニコ年越し! 小林幸子カウントダウンLIVE」を開催し、番組への総来場者数(=アクセス者数)は85万人を超えた。さらに、先月には同人誌即売会「コミックマーケット86」にも、一般サークル「5884(コバヤシ)組」として参加。人気のボーカロイド曲をカバーしたミニアルバム「さちさちにしてあげる♪」を販売すると、限定1500枚のCDが即完売して話題を集めている。 逆境の中、既存の演歌ファンに加えて、アニメファンやネットユーザーなど新規のファンを味方につけて、復活を遂げた観もある小林だが、芸能評論家の三杉武はこう語る。 「元々、小林さんは『紅白』でのド派手な衣装でのパフォーマンスから“ラスボス(=ゲームなどで最後に出てくるボスキャラ)”と呼ばれたり、97年から人気アニメ『ポケットモンスター』のテーマ曲を歌うなど、演歌をあまり知らない若年層にもそれなりに身近な存在でした。しかも、自身が“ラスボス”扱いされることに対しても『いいじゃん! ラスボス小林幸子(笑)』や『話題にしてくれるのはうれしい』と好意的に受け取り、“お家騒動”で逆風を受ける以前から、そういった若い人たちとの“交流”を楽しんでいるところもありましたからね。『ニコ動』や『コミケ』に率先して参加することで、歌唱力はもちろん、大御所らしからぬ気さくなスタンスも、若い人たちから支持を集めているのでしょう」