狂言師が伝授「古来の呼吸法」こそ現代人に効く 670年以上続く狂言の呼吸法をもとにした健康法
さらに、筋肉の緊張を助長し、肩こりや腰痛、頭痛、消化不良などの身体的な不調や睡眠の質を悪化させるなどの作用を引き起こします。これらの問題に対処するためには、腹式による深い呼吸を意識することが重要です。 とくに、丹田呼吸は、身体全体に酸素を効率よく供給し、血流を促進するため、代謝が向上し、疲労の回復が早まります。浅い呼吸は「百害あって一利なし」です。これらの悪影響が積み重なることで、健康寿命が短縮されてしまいます。
逆に、丹田呼吸により深い呼吸を実践することで、心身の健康を保ち、より質の高い生活を送ることが可能になります。和儀を通して呼吸法を学ぶことで、現代社会における多くの健康問題に対処し、よりよい健康状態を維持する基盤を築くことができます。 ■現代社会こそ「古来の呼吸法」が効く 丹田呼吸は、深い腹式呼吸を通じて、丹田(人間の氣が集まる箇所)に意識を集中させながらおこなう呼吸法です。この呼吸法を実践することで、酸素の取り込み量が増え、身体的な効果として血液循環が改善されます。これにより、冷え性や低体温、肩こり、腰痛などが緩和され、全身の代謝が活発化します。
深い呼吸は、副交感神経を活性化させ、リラックス効果を高めるので、ストレスが軽減されて、不安感やイライラが減少し、精神的な安定感も得られます。また、集中力や判断力が向上し、日常生活や仕事においてもパフォーマンスが向上します。 さらに丹田呼吸は、体幹の筋肉をきたえる効果もあります。内臓の位置を正しく保つことで、消化機能の改善や便秘の解消、肥満防止にも役立ち、基礎代謝が上がるので痩せやすい身体になるでしょう。体内の老廃物が効果的に排出されるため、肌の調子がよくなり、美容効果も期待できます。
和儀で取り入れる呼吸法は、670年以上の歴史を持つ狂言の技術をもとにしています。また、その効果は医学的にも証明されています。呼吸を変えるだけでこれほどの効果があることは、私自身も驚きであり、実生活に取り入れるべき価値が十分にあると確信しました。 とくに、現代社会でストレスや健康問題に悩む人々にとって、この簡単で効果的な方法は非常に有効な手段と言えるでしょう。まさに丹田呼吸は「いいことずくめ」なのです。
茂山 千三郎 :狂言師