「このチーム勝てるわ」白鷗大V直前に確信…日本一にこだわり続けた脇真大の“エース道”
■ 「気持ちを切り替えて冷静に」個人表彰2冠
12月17日に行われた『第75回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ2023)』男子決勝戦、白鷗大学は東海大学との激闘を制し、2年ぶり2度目の大学日本一に輝いた。 まだまだ試合の行方がわからない第3クォーター序盤、脇真大には劣勢の場面でも「勝てる」と感じた瞬間があったようだ。 この大一番で17得点6リバウンド4アシストの活躍を見せた脇は、今大会の大会得点王と最優秀選手賞にも輝いている。しかし、決勝戦では後半開始1分25秒に3つ目のファウルを宣告され、我慢の時間帯が続いた。この瞬間、コート上の脇とベンチで指揮を執る網野友雄ヘッドコーチが互いの顔を合わせた。 「3つ目のファウルしてしまったんですけど、 あそこで交代されても他のメンバーがやってくれます。その中で網野さんが自分を出し続けてくれたので、もう一度気持ちを切り替えて冷静にプレーすることができました」
■ 苦境で確信「あ、このチーム勝てるわ」
白鷗大は第3クォーターでペースを握られ、最後の10分を前に7点ビハインドを背負った。「自分がリバウンドに行けていたんですけど、ファウルが混んでしまったので思い切ってコンタクトができない状況になってしまいました」。4つ目のファウルを避けなければいけなかった脇は、がむしゃらにリバウンドへ飛び込めなかった。 だが、今の白鷗大には頼もしい仲間がいる。4年間ともに戦ってきたシソコ ドラマネや嘉数啓希、後輩では2年生で先発を担った佐伯崚介と佐藤涼成、陳岡流羽、ポーグ健らの3年生もコート上で脇を支える存在だ。ハドルを組んだ際、脇はチームメイトを頼った。 「『リバウンドで助けてほしい』とだけ伝えたら、みんなが『ファウルが混んでるからね』という感じで(自分の気持ちを)察してくれました。あの時点で『あ、このチーム勝てるわ』って思ったんですよね」 今のチームは多くの意見を交わさなくても状況や一人ひとりの気持ちを汲み取り、共通理解を持ったうえでコート上で戦うことができる。それが白鷗大の強みであり、「今年のチームで勝てた要因だと思います」と脇は言った。