叶和貴子出演、天知茂さん“明智小五郎”が人工の楽園で怪事件に挑む<江戸川乱歩の美女シリーズ「天国と地獄の美女」>
天知茂さん主演、叶和貴子共演で描かれる江戸川乱歩原作のサスペンスドラマ「天国と地獄の美女」が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)で10月12日(土)夜9時から放送。「土曜ワイド劇場」(1977年~1994年、テレビ朝日系)で放送されていた「江戸川乱歩の美女シリーズ」の第17作目となる本作。本記事では、見どころとともにストーリーを紹介していく。 【写真】険しい表情をする天知茂さん“明智”ら ■美女たちの官能シーンや痛快アクションが満載の「江戸川乱歩の美女シリーズ」 天知茂さんらが演じる明智小五郎が、抜群の推理力と華麗な変装で複雑怪奇な難事件を解決していく本シリーズ。 美青年が餌食になる“人間標本製造機”や人間を襲う“時計台の歯車”など、創意工夫を凝らした奇抜なセットがたびたび登場し、その精巧なつくりに感心させられる。また、ド派手なカーアクションや、ヘリコプターを使った手に汗握る脱出劇など、サスペンスドラマとは思えないような迫力満点のアクションシーンも見どころだ。 そして“大人向けの作品”として、毎話登場する美女たちの妖艶なシーンも見逃せない。由美かおる、片平なぎさ、萬田久子ら名だたる女優ふんする“美女役”の入浴シーンや、明智を雰囲気たっぷりに誘惑するシーンなど、思わず目が釘付けになる描写が散りばめられている。 今回の「天国と地獄の美女」で美女役・菰田千代子を演じるのは、女優の叶和貴子。子供向け特撮番組「宇宙刑事ギャバン」のミミー役などで知られ、美女シリーズでは第21作の「白い素肌の美女」、第28作の「赤い乗馬服の美女」にも出演している。 ■一人のデザイナーが自分と瓜二つの大富豪と出会う…「天国と地獄の美女」あらすじ デザイナーの人見広介(伊東四朗)は、“人工の楽園「パノラマ島」を建設する”という自身の夢のスポンサー探しをしていたところ、ゴルフ場で一羽のカラスに執拗に追われる。カラスは広介が帰宅してからも自宅から離れようとせず、妻の英子(宮下順子)は警察に通報する。 駆けつけた浪越警部(荒井注さん)がカラスの捕獲に成功したものの、非常に人慣れしていたことから、浪越警部から相談を受けた明智(天知茂さん)は“かつて広介に似た誰かに飼育されていた”と推理。ほどなく、カラスは大富豪の菰田家で飼われていたことが判明する。 英子とその浮気相手で新興宗教教祖の大野雄三(小池朝雄さん)が謝礼を期待してカラスを伴い菰田家へ赴くと、飼い主である当主の源三郎(伊東四朗)の顔が広介と瓜二つだった。そこで英子と大野は、“広介を源三郎の替え玉として送り込み、菰田家の財産を奪う”という計画を立てる。 2人に説得された広介は、さっそく源三郎の車を待ち伏せ。車には源三郎の他に妻の千代子(叶和貴子)と運転手が乗っていた。広介は作戦通り3人を眠らせ、英子と大野は眠った源三郎を誘拐しようとするが、途中で3人が目を覚ましてしまい乱闘に。そのさなか、大野の持っていたドライバーが突き刺さり、源三郎は左目を失明してしまう…。 一方の菰田家では、源三郎と千代子の間に子供がいないことから、源三郎の妹・房枝(水野久美)が“自分の子を源三郎の養子にしよう”と企んでいた。そんな房枝は源三郎の失明を千代子の犯行と考え、明智に調査を依頼するが――。 広介が瓜二つの大富豪と出会ったことで、物語は大きく展開。広介が源三郎になりすまし、夢だった人工の楽園「パノラマ島」を作ろうと画策する中で次々と殺人が発生し、明智は恐るべき悲劇の結末を目の当たりにすることとなる。 ■通常よりも大人向け要素満載…細部までこだわった演出 江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』が原作の本作では、通常の「美女シリーズ」よりグロテスク、エロティックなシーンが多いことでも知られている。 グロテスクなシーンに関しては、通常の美女シリーズよりも殺害される人物が多く、目を潰されたり、車ごと崖から転落したり、炎に包まれ死亡したり…と、ショッキングなシーンがたびたび登場する。また、広介たちが墓から源三郎の遺体を掘り起こす場面では、その様子が詳細に描かれており、死後硬直した源三郎を無理やり動かし、白装束を脱がせる際には“ポキッ”と骨折する音も…。細部にまでこだわった演出によって、リアリティあふれる映像に仕上がっている。 さらに、美女役を務める叶和貴子の官能的なシーンも多く、その優れたエロティシズムからも「美女シリーズ」ファンの間で高い評価を得ている。そしてシリーズの名物とも言える、“明智の変装シーン”も幾度となく登場。事件の真相にいち早く気付き、先回りして犯人を陥れる明智の稀代の名探偵っぷりは今回も健在だ。