飲み会で「お酌」ってすべきですか? 新卒ですが「上司に手酌させるのは失礼」と言われました。今どき「アルハラ」じゃないでしょうか…?
新型コロナウイルスの感染拡大で自粛されていた歓送迎会などの飲み会も復活している会社が多くなっています。学生時代や新入社員時代をコロナ禍で過ごしたために、飲み会に慣れていない若手社員もいます。 そこで本記事では、アルコールハラスメント(アルハラ)の定義や、飲み会で上司にお酌するべきか、上司へのお酌を求めることはアルハラやパワハラに該当するのかを解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
「アルハラ」の定義とは?
アルコール依存症問題などに取り組む特定非営利活動法人ASKによると、アルハラには一般的に5つの定義があります。 ●飲酒の強要 ●イッキ飲ませ ●意図的な酔いつぶし ●飲めない人への配慮を欠くこと ●酔った上での迷惑行為 酔った上での迷惑行為とは「酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言暴力、セクハラ、その他ひんしゅく行為」です。 このようなアルハラの定義から考えると、上司へのお酌を強要することは酔った上での迷惑行為とも考えられますが、事例のように「一般的な飲み会マナー」として考えている人も多く、アルハラに該当するかどうかは、その場のシチュエーションによると考えられます。
そもそも飲み会で上司にお酌をするべきなのか?
一昔前は「目上の人に手酌させるのは失礼」という文化がありました。しかし最近では自分のペースで飲みたい、若手社員にも余計な気遣いをせずに飲み会を楽しんでもらいたいと考える人も増えています。上司・先輩との関係性や社内文化によって「上司に手酌させるのは失礼」かどうかは変わってくるため、ますます判断が難しくなっているといえます。
お酌の強要はパワーハラスメントに該当しないのか?
職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)とは(1)優越的な関係を背景として言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものとされており、(1)から(3)をすべて満たす必要があります。 また「(3)労働者の就業環境が害される」は個人の主観ではなく、社会一般の労働者が同様に感じるような言動であるかが基準となっています。 従って今回のケースでは、強迫的な言い方でない限り、パワーハラスメントには該当しない可能性が高いと考えられます。