ポケモンの新アプリ「ポケポケ」は何がすごいのか? カジュアル層からガチ勢まで心をつかむ、ルールとUIの“引き算”
ポケモンカードの面白さはそのまま、スマホゲームに最適化
そもそもとして、ポケモンカードゲームの基礎知識を説明しておこう。紙のポケモンカードは1パック5枚入り(ランダム封入)/180円で販売されており、これを買い集めたり、人と交換したりしてカードを収集していく。さらに60枚のカードを組み合わせたデッキを構築することで、対人戦を楽しめるというのが基本だ。気に入ったポケモンのカードを集めるのもよし、対戦するのもよしということで、これは大昔から変わっていない。 アプリのポケポケでも、その基本は変わらないが、とにかくポケモンカードゲームの面白さを手軽に楽しめるように追求されており、ポケモンカードゲームに触れるハードルを大きく下げることに成功している。 筆者がポケポケに感じた魅力は以下の3つだ。 (1)パックを開封する気持ちよさ 心地いいアプリのUX(ユーザー体験) 1つ目はカード収集の部分だ。ゲーム内でもポケモンカードのパックをむく(開ける)工程が再現されている。そこには指で開封するパックを回転させて選んだり、パックを破る操作感や音といった癖になる爽快感があったりして、つい何度もパックを開封したくなる心地よさがある。 SNSでは“開封するパックの形状によって、レアカードの出現率が変わる”といったウワサもあり、そんな“裏技”感が、かつてのゲーム「ポケットモンスター」をほうふつとさせるのも面白い。 (2)デジタルならではの演出 デジタルでカードを扱うということは、紙に印刷された絵を超える演出が可能になる。ポケポケでは特に「イマーシブカード」という特殊演出があるレアカードが存在し、手に入れれば絵の中に入りこむようなアニメーションを楽しめる。 また、対戦中も敵にダメージを与えると効果音や演出があるため、爽快感がある。 (3)手軽な対戦ルールの中にも奥深い戦略性が残されている ポケポケにおける対戦ルールは、通常のポケモンカードゲームに比べてシンプルかつ直感的に理解できる設計となっている。デッキは20枚で構成され、同じカードは2枚までしか入れられない。そして先に相手の3体(2体の場合もある)を倒した方が勝利となる。 60枚のカードで構成される紙のポケモンカードゲームに比べて覚える要素が少なく、1回の対戦が短時間で終わるため、スマホで気軽に遊びやすい。しかし、実際に遊ぶと分かるが、簡略化されたルールながらもポケモンカードならではの戦略性や、カードを組み合わせてデッキを構築する面白さは健在だ。 「もう負けてしまうと思っていた対戦でも、ポケモンの特性やアイテムによって一気に攻勢が変わり、逆転勝利できたとき」「わざやアイテムなどの連携を考えて組んだデッキがうまくハマったとき」の達成感はやみつきだ。