フランス、極右勢力抑える安全装置が崩壊か-主流政党の団結に疑問符
人民戦線は脆弱(ぜいじゃく)な同盟であり、左派票の分断を避けるために根深い相違点をいくつも覆い隠してきた。投票開始までの2週間に対立が露呈し弱体化するかもしれない。メランション氏は16日、同盟を安定させるために、もし人民戦線が過半数を獲得すれば自分以外の誰かを首相にする用意があると述べた。
17日に選挙戦が本格化する中、ルペン氏とその同盟勢力は自分たちが経済面で信頼できると主張することで主流派有権者に働きかけ、この展開を利用しようとしている。RNのジョルダン・バルデラ党首はフランス3テレビに対し「私は街頭と財政の秩序を回復する」と語った。ルペン氏はRNが過半数を占めることができれば、バルデラ氏が首相になると述べている。
世論調査によれば、RNはすでに下院の最大政党になりそうな勢いだが、これは投資家、フランスの国際的パートナー、フランス国民の一部に警戒感を与えている。14日には人権、環境、経済に対するルペン氏の姿勢に反対する数万人のデモ隊がフランス全土で街頭に繰り出した。マクロン大統領が国民議会を解散して以来、金融市場も急落しており、フランス株の価値は約2000億ユーロ(約33兆7000億円)目減りした。
ルペン氏はフィガロ紙に「金融市場はRNのプロジェクトを理解していない」が、政策案を実際に読めばむしろ合理的だと感じるだろうと語った。
原題:France’s Safeguards Against the Far-Right Are Breaking Down(抜粋)
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Ania Nussbaum, Samy Adghirni