秋華賞 チェルヴィニア、牝馬2冠 ルメールは「ゲート裏で勝つ自信あった」「能力あるので何でもできる。またGⅠを勝てると思う」
◇13日 第29回秋華賞(G1・京都・芝2000メートル) 中団を進んだ単勝1番人気のチェルヴィニアが直線一気に差し切り、オークスに続く牝馬2冠を達成した。クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は2017年ディアドラ、18年アーモンドアイに続く同レース3勝目。木村哲也調教師(51)=美浦=は初勝利。2着は5番人気のボンドガール、3着は2番人気のステレンボッシュだった。 ラスト1冠を前にしても、決して慌てることはなかった。オークスを勝ち、1番人気に支持されたチェルヴィニアが牝馬三冠最終戦を見事なGⅠ連勝で制した。 レースは大外枠からセキトバイーストが後続を引き離して飛ばした。スタートを決めたチェルヴィニアは離れた馬群の中で落ち着いて運んだ。少しずつ逃げ馬との差が詰まり、直線はスペースができるとすっと入って抜け出し、ゴールへ飛び込んだ。ルメールは「いいポジションを取れましたし、自分のリズムで走りました。冷静に走ったら最後はいい加速をすることができるので直線は届くと思っていました」と胸を張った。 万全の態勢で挑むことができた一戦だった。夏を越して背丈が伸び、肉付きも良くなるなど細かな馬の変化を見逃さなかった厩舎の精度の高い調整が勝利を引き寄せた。ルメールは「ベストコンディションでした。パドックからよく見えたし、返し馬でもいい脚を使ってくれました。ゲート裏で勝つ自信がありました」。早々と勝利を確信していた。木村師も「春は本来のコンディションに持っていけてなかったので、秋は馬としてまずは健康にしてあげたいと思っていました」とうなずいた。 今後は年長馬や牡馬との戦いが待っている。師は「秋は1回だけにとどまらず、状態をしっかり見てからですが、可能であれば使いたと思っています。お兄さん、お姉さんに立ち向かって行ければいいと思います」と、どこかのレースを使いたい思いを口にした。ルメールも「距離も持つし、能力もあるので何でもできると思います。大人になったから牡馬と戦っても問題ないです。けがをしなければまたGⅠを勝てると思うし、レジェンドホースになることを期待しています」と今後さらなる活躍に目を輝かせた。世代トップクラスから現役最強へ。まだまだ楽しみは尽きない。
中日スポーツ