獅子舞威勢よく 氷見で光禅寺・唐島大祭 震災に負けずわが町に活気
能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市の三大祭礼の一つ、曹洞宗光禅寺(同市丸の内)の唐島大祭は3日、市中心市街地で行われた。弁財天像を乗せたみこしが巡行し、海上の安全や豊漁を祈願する獅子舞が繰り広げられ、港町の氷見が活気づいた。 唐島大祭は、4月の奇祭「ごんごん祭り」と7月の祇園祭(ぎおんまつり)と並ぶ氷見の三大祭礼で、市中心部の旧中町、湊町、浜町、今町の4町が営む漁業祭。 光禅寺の弁財天像を厨子(ずし)に収め、みこしに乗せて市街地を巡行。各町の太鼓台の太鼓とかねのにぎやかな音色が響く中、僧侶や各町の総代、青年団、漁業関係者らが「頑張ろう氷見」と復興を願うのぼりが並ぶ商店街や、液状化被害の爪痕が残るまちなかを練り歩いた。 氷見漁港にある市漁業文化交流センター前では、中町と今町の獅子舞が共演し、大勢の市民や観光客らが勇壮な演舞に見入り、大きな拍手を送った。 祭りでは、地震の影響などで遊覧船の整備が間に合わず、氷見沖約300メートルの唐島にある弁財天での法要は取りやめた。氷見漁港で唐島に向かって遙拝(ようはい)を行い、市漁業文化交流センターで法要が営まれた。 この後、各町内会で獅子舞の演舞が行われ、太鼓と笛の囃子(はやし)に合わせ、威勢の良い舞が繰り広げられた。 祭りを運営する4町でつくる唐島保存会筆頭総代の大文字登代表(75)は「地震もあったが、新しい展望を開こうとまつりを行った。震災に負けないで前へ進み、復興につなげたい」と話した。