センバツ2023 社、「全員野球」磨き夏へ 春の敗戦、得た課題 /兵庫
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に19年ぶり2回目の出場を果たした社。初戦の2回戦で海星(長崎)と対戦し、1―5で敗れた。強豪校がひしめく県勢の中で公立校ながら夏春連続で甲子園に出場し、地元の加東市から熱い応援を受けた社の春を担当記者が振り返る。 社の選手たちが口をそろえて掲げているのは「全員野球」だ。言葉通り、守備から試合のリズムを作り、終盤に犠打や安打で打線をつないで得点し、勝利をつかみ取ってきた。4番打者の水谷俊哉(3年)も「バントをすることも多い。次の打者につなぐことだけを意識している」と話す。 海星戦では四回、2死から尾崎寛介(2年)が中前打で出塁し盗塁を決めると、続く主将の隈翼(3年)が中前適時打を放ち、1点差に追い上げた。この試合2安打の山本彪真(3年)は「ずっと点を追いかける展開だったが、落ち込まずに盛り上がっていけた」と話す。試合には敗れたが、最後まで粘り強く戦った。 試合後、海星戦について選手たちで話し合い、ミスが目立った守備の練習に徹底して取り組んでいる。隈は「課題を一つずつクリアしてレベルアップし、リベンジのために夏の甲子園に出る」と決意を誓う。山本巧監督(50)も「センバツ出場を誇りに、目の前の課題に立ち向かって練習している」と選手たちを評価。「しっかりと勝てるチームになって大会に臨みたい」と、さらなる高みを目指す。【喜田奈那】 〔神戸版〕