「大島さんはおいしい野菜が手に入った時に…」映画ポスターを“リデザイン”したヒグチユウコと大島依提亜の“出会い”
アリ・アスター監督作品の魅力とは
――対談では、アリ・アスター監督作品の面白さや独自性について度々話題に上がっています。同監督作品の魅力を改めて教えてください。 ヒグチ 最初に作品を見たのは、『ヘレディタリー/継承』の試写会でした。もともと私はホラーが好きなので、どの作品を観てもあまり怖く感じないんです。だからアリ監督のような表現はとても面白さを感じました。そんな中、映画『ミッドサマー』『ボーは恐れている』と立て続けにお仕事させていただける機会に恵まれて大変嬉しい限りです。 今年の2月には『BRUTUS』(マガジンハウス)で監督本人と対談する機会に恵まれたんです。インタビューなどで取り上げられているように、監督はとても温厚で優しい方だと感じました。お話しする間、こちらの話に耳を傾けてくださる感じもとても好感的で、何よりもとてもチャーミングです。 そんな方がホラー作品を監督しているというのは不思議なようで、性格と正反対のものを作られるというのはよくあることだとも思いました。 ――アリ・アスター監督同様、『哀れなるものたち』や『聖なる鹿殺し』『ロブスター』などのヨルゴス・ランティモス監督にも注目されていますね。 ヒグチ ランティモス監督はどの作品も素晴らしいです。実験的要素というか、舞台のような空気感をすごく感じるんです。その点が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などを撮ったラース・フォン・トリアー監督を思い出します。トリアー監督の方がだいぶ変わってるし、苦しそうですけどね(両者、観る人を選ぶところも同じですね)。 新作の『憐れみの3章』も試写会で観させていただきましたが、たいへん好みでした。ウィレム・デフォーやジェシー・プレモンスなど、好きな役者が出ているのもうれしいです。
新作が出たら必ずチェックする映画監督は?
――新作が出たら必ずチェックする監督はいますか? ヒグチ たくさんいるんですけども、今考えるとこの方たちでしょうか。 ・アレックス・ガーランド監督 ・エドガー・ライト監督 ・ジョーダン・ピール監督 ・ミランダ・ジュライ監督 ・マーティン・マクドナー監督 ・ナ・ホンジン監督 ・バリー・ジェンキンス監督 ・チャーリー・カウフマン監督 あんまり考えると、あの人もこの人も、となってしまいます。 》インタビュー【前編】に続く ヒグチユウコ 東京を拠点に画家として活動している。アパレル企業などとのコラボ作品を手掛ける。2019年には、ギャラリー「ボリス雑貨店」(渋谷区)をオープン。著書に絵本作品『ふたりのねこ』(祥伝社)、『せかいいちのねこ』『ギュスターヴくん』(白泉社)などがある。2024年10月から韓国で展覧会を開催。 higuchiyuko.com
ゆきどっぐ