祭りを支える力(9月6日)
ゆく夏を追うように、太鼓の祭りばやしが聞こえてくる。威勢の良い「しゃんぎり」、情感豊かな「角兵衛」。二本松の提灯[ちょうちん]祭りは10月5~7日の本番まで1カ月。相次ぎ始まる7町の練習は熱を帯び、城下町に沸き立つ季節が近づく▼二本松藩時代の地誌「相生集」には、1664(寛文4)年の初期の祭りが記録されている。今年で節目の360年。若連連合会長を務める佐藤雄哉さんは「若連、小若、市民の力を合わせて伝統をつないでいく」と張り切る。少子化の中、各町は太鼓をたたく小若の小中学生集めに力を入れている▼市は第3期子ども・子育て支援事業計画の策定に向け、保護者や関係団体、学識経験者による会議をスタートさせた。小中学生らへのアンケートなどを踏まえた計画作りを進める。足りない面を補うだけでなく、二本松ならではの子育ての楽しさにも目を向けたい▼成人儀礼を守る木幡の幡祭り、人気キャラクターも繰り出す針道のあばれ山車、子どもへの愛情が伝わる小浜の万人子守地蔵尊例大祭や紋付祭り―。熱気が子どもの記憶に根付き、自分も若連に入って小若を支える。そんな子どもたちが、新しい計画の下で増えるといい。<2024・9・6>