白身魚のうまみ凝縮!「鯛のカルパッチョ」格段に味が変わる激ウマの秘密とは【プロが教えるおうちイタリアン#25】
【作り方】
(1)真鯛を塩締めにする 真鯛の柵の両面に塩をしっかり振って、塩締めにします。塩を振った真鯛をペーパー、ラップの順で包み、冷蔵庫で1時間ほど置きます。 「今回は皮つきの真鯛を使っていますが、皮はひいてあるものでもOKです。サーモンや平目など、他の魚でも同様においしく作れますよ。塩を振ると旨味が凝縮され、身がプリッと引き締まって格別です」 (2)玉ねぎを切る 玉ねぎはみじん切りにして水にさらし、ペーパーで包んでギュッと搾ります。 「これで玉ねぎの辛味や苦味が抜けて食べやすくなります」 (3)ソースを作る ボウルに(2)の玉ねぎを入れ、レモン汁、粒マスタード、にんにく、塩、こしょう、オリーブオイルを加えて、よく混ぜ合わせます。 「フレッシュなレモン汁がなければ、酢や市販のレモン果汁でもOKです」 (4)真鯛を切って盛り付ける 1時間経ったら、冷蔵庫から真鯛を取り出します。ラップとペーパーをはがすと、余分な水分が抜けて、身がしっとりしていい感じに! 冷蔵で約3日保存できるので、すぐに食べない場合は塩締めにしておくといいですね。 真鯛の皮をひき、食べやすく切って、皿の形に合わせて丸く並べていきます。 「先に外側の円を作ってから中を埋めると、きれいな円形に仕上がりますよ」 (5)真鯛に下味をつける 真鯛に塩少量(分量外)とこしょうを振り、レモンをギュッと搾ります。レモンの爽やかな香りをつけ、酸味でさらに真鯛の味を引き締めましょう。 (6)ソースをかけ、野菜を盛り付ける 真鯛全体にのせるような感じで、(3)のソースをかけ、真鯛の上に根元を切り落とした貝割れ大根、ベビーリーフ、半分に切ったミニトマトをのせます。 (7)できあがり! 周りにオリーブオイルをかけたら完成です。彩り豊かで美しい! 早速、食べてみると、真鯛の身がプリップリ! 噛み締めるとねっとり濃厚な旨味がふわ~っと広がります。ソースは粒マスタードのコクとレモンの爽やかな酸味、玉ねぎの旨味が一体となって、絶妙なバランス。魚自体にしっかり味が入っているからか、ソースともよく絡んでいます。 私は家でカルパッチョを作る時に、魚に塩を振っていなかったので、魚とソースがバラバラな印象がありました。でもこれは、お互いが手を取り合っているような一体感があるんです。これぞ、ワンランク上のお店の味わい! 料理って下ごしらえのひと手間で、こんなにおいしくなるんだなぁとしみじみ堪能してしまった一皿でした。ぜひプロの技をおうちで試してみてくださいね。 取材・文/岸綾香
小野宗隆
東京都千駄ヶ谷にあるイタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。提携農家の産直有機野菜や無農薬野菜、地元から直送される父親が釣り上げた魚介類、鹿や熊のジビエなど、鮮度のよい食材にこだわる。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの料理動画『プロが教える本格パスタレシピ』も大人気。
小野宗隆