投球に守備に家具に油絵に「センスのかたまり」巨人・山崎伊織、12球団トップタイ開幕4連勝
◆JERA セ・リーグ 巨人2―1DeNA(14日・富山) 富山に集まる巨人ファンの声援を力に、山崎伊は力を振り絞った。2―1の7回2死三塁で代打・大和。100球目、最速152キロを計測した。ラスト101球目はシュートで三ゴロ。歓声に包み込まれ、胸を張ってベンチに戻った。7回5安打1失点で無傷の両リーグトップタイ4勝。今季3勝を含め、地方開催4連勝としてお立ち台に上がり、「すごく応援が力になりました」と感謝の思いを伝えた。 DeNAキラーは健在だった。昨季はDeNA戦7試合に登板し、5勝1敗、防御率1・65。2―0の5回1死二塁から蝦名の左前適時打で失点したが、「1、2回は走者をためちゃったけど、しのいで中盤はテンポ良くいけた。1点でしのげたのが大きい」と巧みなゲームメイクを振り返った。DeNAに復帰した筒香に対しても2打数無安打、1四球と仕事をさせず。82キロのスローカーブやカットボールなど多彩な変化球で5三振を奪った。 抜群のセンスは投球だけではない。「投げる以外の部分も練習するのが大事」と、打撃やフィールディングのセンスも球界屈指だ。5回1死一塁では関根のライナーに反応してキャッチし、一塁へ送球。併殺とし、「あそこでゲッツーで終われたので1点で終われた」。野球選手としての完成度が光った。 私生活でも仲が良い田中は言う。「伊織さんはセンスのかたまり。よく部屋の写真を見せられるんですけど、レトロな黒電話の水色版とか至る所に水色を取り入れていてオシャレ」。山崎伊は「家具を買うときに水色にしようって思っただけやで」と照れくさそうに語るが、イスやゴミ箱など水色に統一。趣味で描く油絵をプレゼントしてもらったという田中は「緑が好きなのでそれを主体に描いてもらった。部屋に飾っているけど彩りが出ます」と大喜び。グラウンド内外でもセンスを発揮し、チームに彩りを添えている。 前回(7日)の中日戦で9回完封勝利を挙げるなど、今季3度目のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)。「3、4月はもったいないプレーや失点が多くて、今はすごく反省して投げられている」。無傷の4連勝は12球団で菅野と2人だけ。たくましい背番号19が巨人をけん引している。(水上 智恵)
報知新聞社