【要因は中国でなくアメリカ】 日産 2024年度第1四半期の決算発表で利益が大幅減、通期見通しを下方修正
The Arcを着実に推進
そのため、日産は販売奨励金を積極的に導入したが、市場成長が鈍かったことも重なり対策費用がかさんだ。 「ローグ」はアメリカ市場における日産の主力SUVであり、その販売台数が多いためこうした対策が事業全体としての利益を引き下げる要因となった。こうした状況は第2四半期も続く見通しだが、下期ではモデル刷新によって回復を狙う。 欧州は、「キャッシュカイ」と「ジューク」が好調で販売台数は市況を上回る7.9%増となった。 中国は、地場メーカーとの競争は激化する中、「シルフィ」や「パスファインダー」の販売が堅調で、販売台数は5.4%減にとどまったという状況。 第1四半期の状況を踏まえて、2024年通期見通しは前回発表での小売販売台数370万台から365万台へ下方修正した。中国が3.8%減でその他はほぼ横ばいとした。生産台数は350万台から345万台に引き下げた。売上高は13兆6000億円から14兆円に引き上げるものの、営業利益は6000億円から5000億円に引き下げた。 内田誠CEOは「第1四半期は日産にとった大変厳しい結果となった。しかし、課題に対して明確な対策を打ち、新型車の投入を推し進めることで業績を回復させていく」と前向き姿勢を示した。 その上で、経営計画「The Arc」の実現に全力を注いでいくことを改めて強調し、株主、取引先、そしてユーザーに理解を求めた。
桃田健史(執筆) AUTOCAR JAPAN(編集)