藤ヶ谷太輔、デビューから初の決断 「自分で動くべき時が訪れた」
女性の気持ちがわからず困惑
都会的でスマートだったはずの架は、失踪した真実を捜す中でカッコ悪い自分とも向き合っていく。その過程では、男女それぞれの視点でのリアルな恋愛観や、価値観のすれ違いが浮き彫りになっていく。 架を演じる上で、藤ヶ谷は「原作を何度も読み返した」と回想。「優しさと鈍感さのバランスを大事に演じていました。女性から見ると、架の行動や言動にはかなり“いや、それは違うよ”と思うところがあるらしいんです(笑)。女性が“察してほしい”と思うようなところを、男性からすると“言ってくれないとわからない”と感じてしまったり……。僕自身、原作を読みながら真実が不満を抱くことに対して“言ってくれないとわからない”と思ったので、その感覚は大事にしたいなと思いました」というように、男女で見方や意見が変わってくるのも本作の面白いポイントだ。
1年の交際を経ても結婚に踏み切れない架にモヤモヤする女性も多いかもしれない。藤ヶ谷は「架が真実に誕生日プレゼントとしてネックレスを渡すシーンがありますが、架は指輪が入っているような四角い箱に入れて渡すんです。奈緒ちゃんや女性スタッフさんからは“あの箱を選ぶセンスはおかしい。ネックレスなら長方形の箱にしてほしい”とかなり責められました。僕が選んだんじゃないのに!」と苦笑い。 また、友人たちに真実と結婚したい気持ちはどれくらいかと聞かれた架が“70%”と答えたことに対し、“真実は70点”と彼女に点数をつけたも同然だと指摘されるというシーンがあるが、「女性スタッフさんの中には“70点なら、まだ0点をつけられた方がうれしい”という人もいましたし、男からすると“70点ならば、高い方だ”という人も多い。いろいろな話が出てきて、ものすごく面白い」と撮影現場で盛り上がることも多かった様子。「監督、奈緒ちゃん、僕の間でもたくさん話をしました。この作品について話していると、お互いの恋愛観や結婚観、人間関係まで自然と話してしまう。監督には奥さんとの出会いまで、聞いちゃいましたから。『傲慢と善良』って、それをきっかけとして誰かと話したくなるし、人生において必要なものがたくさん散りばめられている作品なんだと感じています」と撮影を通じてさらなる気付きがあったと熱を込める。