生の小麦粉を食べるのは危険? 食べてはいけない理由
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 小麦粉はさまざまな食べ物の基本となる食品。パンやパスタ、ペストリーをおいしく食べられるのも、小麦粉のおかげ。パントリーの定番食品だからこそ、生の状態で摂取してしまう可能性も高い。 ケーキの生地やクッキーの生地を作った後、その生地をつい一口食べてしまうことは誰にでもある。生の生地を食べる危険性について聞いたことがある人は多いと思うけれど、心配しなければならないのは生卵だけではない。生の小麦粉も危険なのだそう。
生の小麦粉が安全に食べられないのはなぜ?
そもそも「小麦粉って生?」と思うかもしれないけれど、たしかに小麦粉は生の食品。一般的な中力粉はスーパーの棚に並ぶまでに綿密な加工が施されているとはいえ、非加熱の小麦であることに変わりはない。そして、熱に晒されていないかぎり、袋に入った小麦粉には有害な細菌が残留する可能性がある。心配されるおもな細菌は、サルモネラ菌と大腸菌の二種類だ。 サルモネラ菌や大腸菌は軽度から中等度の感染症の場合、胃のむかつき、嘔吐、下痢、発熱を起こす可能性がある。しかし免疫力が低下していたり、既往症があると、生の小麦粉による食中毒がさらに深刻になる恐れがある。とくにサルモネラ菌は、入院や死亡の原因となる微生物のトップになっている。 「サルモネラ菌は、生命を脅かす病気であるサルモネラ症や腸チフスを引き起こすことがあります」と教えてくれたのは、科学コミュニケーションコンサルタントのミーガン・マイヤー博士。「毎年アメリカでは、約135万人がサルモネラ菌に感染し、そのうち26500人が入院、42人が死亡しています」
米食品医薬品局(FDA)によると、これらの感染症は生の小麦粉に起因する場合もあるという。同局の報告によると、2009年以来、生の小麦粉を使用した商品の摂取に直接関係する病気が168件確認され、20件の入院が発生したそうだが、このほかにも報告されていないケースがある可能性は否めない。生のクッキー生地やケーキの生地を好んで食べる人は、生の小麦粉と生卵が含まれてる場合、感染の可能性が倍増する。 「2019年の米食品医薬品局の調査によると、アメリカ人の3分の1以上が過去一年間に生の小麦粉を摂取し、多くの人が非加熱の小麦粉に病気の原因となる微生物が含まれる可能性は低いと考えていると報告されています」とマイヤー博士は話す。