著名人に聞いた“ゴルフ人生、思い出の1打”とは?
カリフォルニアのハーフムーンベイGLオールドコース(18H・7001Y・P72)でのことも忘れられません。ここの18番ホール(405Y・P4 )は、右が太平洋というホール。グリーン左のホテル前では多くの客がくつろいでいました。250ヤード先のフェアウェイには海から入り組んだ崖があり、その手前にボールを落とし、2打目でグリーンを狙うという難しいホールです。1打目を狙い通りに打てて、残りは約160ヤード。2打目もナイスショットでピンに1メートルほどだと確信しながらグリーンに上がると、なぜかボールがありません。ギャラリーと化したホテルの客が笑いながら指さす方向を見ると、幼い少年がボールを持っているではありませんか。「ボールを返して」と言っても返してくれませんでしたね。
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「心に残っている」と言えばホールインワンですね。1995年、レイクウッドGC東コース(18H・6524Y・P72)で、池越えの13番(132Y・P3)を8番で打つとワンバウンドでボールはカップに吸い込まれ、初めてのホールインワン。
10年以上前の大晦日に、沖縄のかねひで喜瀬CC(18H・7193Y・P72)で宮里聖志プロとその友人と3人でプレーしました。オーシャン8番ホール(201Y・P3)は、かなり打ち下ろしのパー3です。この日は打ったボールが大きく流されてしまうほど風が強く、低い弾道をイメージして4番アイアンで打つと、手前ギリギリにオンしてそのまま20ヤードほどグリーンを転がり、カップイン。2回目のホールインワンです。
また09年、北九州オープンに出場したときのこと。開催コースは、門司GCで宮里優作プロが同組でした。9番(400Y・P4)は左ドッグレッグ。ティーショットが左のバンカーに入り、木の枝が張り出していてピンを狙うにはかなり難しい状況。フェースをややかぶせ、右から回すイメージを描いて6番アイアンで打つと、ボールはイメージ通りのフックボールでカップの上2メートルにナイスオン。バーディパットを入れて次の10番ホールではオナーとなり、ギャラリーから「このアマチュアがオナーなの」という視線を受け恥ずかしいやら、誇らしいやら……。
取材・構成/吉川丈雄(特別編集委員)