沖縄県議選告示 玉城知事の県政運営への影響は? 投開票は16日
任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)が7日告示され、13選挙区に75人が立候補した。玉城デニー知事は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設計画を巡って政府と対立するが、知事を支える県政与党は現在、半数の議席にとどまっており、過半数を獲得できるかが焦点になる。政府が進める南西諸島の防衛力強化を巡っても論戦が交わされる。投開票は16日。結果は、2期目の折り返しを9月に迎える玉城知事の県政運営に影響する。 【写真】米軍普天間飛行場に飛来したオスプレイ 現在の議会構成は、共産、立憲民主、社民などの県政与党が24人。野党の自民会派は18人で、自民と足並みをそろえることが多い中立会派3人と公明2人、野党系無所属1人を合わせると計24人で与党と同数になる。ただし、採決には中立会派所属の議長が加わらないため、与党がかろうじて主導権を握っている。 毎日新聞の集計で、立候補者の内訳は▽県政与党系が32人▽県政野党系は自民が公認と推薦を合わせて22人、無所属3人、維新1人の計26人▽中立は公明4人と維新2人、無所属11人の計17人。維新は候補によって野党系と中立に分かれた。過半数獲得を目指す県政与党に対し、自民は与党を過半数割れに追い込み、2年後の知事選での県政奪還を狙いたい考えだ。石垣市選挙区(定数2)は7日に与党系現職と自民現職の無投票当選が決まった。 普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡って、玉城知事は埋め立て予定海域での軟弱地盤改良工事の承認を拒否してきたが、国土交通相による承認の代執行を経て、防衛省は2024年1月に地盤改良に向けた工事に着手した。知事は県内移設への反対を貫くが、県議選の結果次第では、基地問題で米側への働きかけの足場としてきた米ワシントンの県事務所の廃止論議が高まることも予想される。 台湾海峡での緊張が高まる中、県内では自衛隊の拠点開設や部隊増強が進み、今後は反撃能力(敵基地攻撃能力)を持つ長射程ミサイルの配備も取り沙汰される。玉城知事は防衛力強化は米軍基地の負担軽減と合わせて進めるべきだと訴え、長射程ミサイル配備には「専守防衛からの逸脱だ」と反対している。県議選の結果は、今後の国の防衛政策にも一定の影響を与える可能性がある。【比嘉洋】