上質感はピカイチ! アウディの新型SUV型ピュアEV「Q8 e-tron(イートロン)」に試乗。
BMWやメルセデス・ベンツの大型電動SUVが注目を集める中で、アウディは新型「Q8 e-tron(イートロン)」を投入。アウディならではの魅力はどこにある? 小川フミオが試乗した。 【写真】新型アウディ Q8の詳細を見る!
ラインナップを拡大する「e-tron」ファミリー
プレミアムサイズのSUV型ピュアEVが、増えています。アウディジャパンが日本導入した「Q8 e-tron(イートロン)」はその代表格。「SUV」と「スポーツバック」の2車型が、23年3月に同時に発表され、ついに昨秋、日本の路上を走り出しました。私が乗ったのは、「Q8スポーツバックe-tron」というスタイリッシュなモデル。 Q8 e-tronの成り立ちは、2019年に同社初の量産型ピュアEVとして登場した「e-tron」がはじまり。アウディがピュアEVに用いる名称をそのまま車名にしたモデルでした。ですが、ここにきて「e-tron GT」「Q4 e-tron」それに「Q6 e-tron」と、e-tronのラインナップ拡充を受け、今回の車名変更になりました。 同時に、アウディでは、走行性能を改良。駆動用バッテリーの効率を上げることで、出力と一充電走行距離を向上させました。日本での競合として、BMM iXやメルセデス・ベンツEQSなど、電動の大型SUVが存在しています。 先に触れたとおり、19年登場のe-tronにさらなる商品力強化が必要、とアウディが考えても不思議はありません。結論的にいうと、私が乗った「Q8スポーツバック55 e-tron quattro S line」は、しっかりとキャッチアップしていて、アウディならではの魅力をそなえていました。
EVの長所が際立つ走り
車名にある「55」は性能の目安。今回の改良で、バッテリーは従来の19kWh増しとなり、走行距離は78km延伸の501km(WLTC)に。 ちなみに、より積載量重視の「SUV」にのみ設定されている「50」だと24kWh増しで、走行距離は89km増しの424kmに伸びています。 Q8スポーツバック55 e-tron quattro S line(以下・Q8 e-tron)は、全長が5メートルに届きそうだし、車重だって2.6トン。ですが、その質量をほぼ意識させない、むしろ軽やかともいいたい走りを味わわせてくれます。 大きなトルクのモーターは、4つの車輪を駆動してスムーズな発進と、そのあとの気持ちよい加速を実現。やたらパワー感を強調するでなく、あくまで、運転する私の感覚に寄り添うような加速感がいい感じです。 ハンドルを切ったときの車体の動きもとても自然。加速とのバランスもよく調整されていて、カーブを曲がっていくのも、スイスイと駆け抜けます。バッテリーを床下に搭載しているため重心高が低くできるのがEVの長所といわれています。まさにそこをうまく活かして、心地よい走行感覚が実現されています。