福西崇史氏

　「パリ五輪・サッカー男子・１次リーグ、日本１－０イスラエル」（３０日、ボジョワール競技場） 【写真】試合終了間際、決勝ゴールを決めた細谷　歓喜のガッツポーズが出た！ 　１次リーグ最終戦で、日本はイスラエルと対戦し、後半追加タイムにＦＷ細谷真大（柏）が得点し、１－０で勝って３戦全勝で１位通過した。準々決勝ではスペインと対戦する。２００２年日韓、０６年ドイツＷ杯日本代表の福西崇史氏が試合を分析し、スペイン戦を展望した。 　　◇　　◇ 　試合の運び方は難しい感じにはなった。イスラエルが出てきていたし、メンバーを替えたこともある。守備で言えばゼロで抑えることを心がけていたと思うし、小久保の好セーブもあって達成できた。普段出ていなかった選手たちも自信をつけたし、３連勝で終えたことでチームも乗ってくる。 　細谷の得点は、相手も取りにきていた中、自分たちが守備をして取ったという点で、いいところがでた。もう一つ言えるのは、藤田がドリブルしたときに、前に選手がいるので選択肢があった。その中で佐藤がきた。それでフリーでもらえた。そうなるとディフェンスラインは下がらざるを得ない。マークうんぬんよりも、下がったことで細谷は浮かすことができた。 　そして、この試合でも抑えた小久保は本当に集中している。マリ戦でも足元で止めたように、自信をつけている。得点を与えない安心感は選手たちにもあるだろうし、何より結果を出していることが大きい。 　１次リーグ３試合を終えたが、結果は素晴らしく、すべてゼロに抑えた。初戦のパラグアイにうまく勝てれば、と思っていたが、余裕を持って勝てたことが大きい。あの結果で３連勝はあり得ると思った。 　スペインにはボールを持たれる状況になるだろう。守備のところで課題はあり、この試合もそうだったが、下がりすぎると中盤で好きなことをされてシュートを打たれる。今度はシュートのレベルがかなり上がる。そういう点ではシビアになる。ピリピリとした展開になるはずだし、Ａ代表のスペインと同じイメージで、個々のレベルは高い。 　トーナメントの最初だから、リスクをかけられないことをどう取るか。硬い試合にはなると思うが、どうやって先制点を取っていくかだ。比較的積極的にいかなくてはならない一方で、リスクを負いづらい難しさもある。 　全精力を注がなくてはいけない相手だが、日本は１次リーグ突破を決めていたことで、選手を休ませられたことが大きくプラスになる。試合に出ていないメンバーも士気を上げられた。より強いチーム力を見せていけるのではないだろうか。