なんと「港区」だけで「死者2200人」の予測…そのとき「名古屋」を襲う「意外な脅威」の正体
南海トラフ巨大地震は、その名の通り、南海トラフに発生する巨大地震である。その規模は、最大でマグニチュード9.1にも達すると予測され、その影響は広範囲に及ぶ。特に、名古屋市を含む東海地方は、津波の脅威に直面することとなる。本稿では、名古屋市における津波の被害予測について詳しく解説する。 【画像】「南海トラフ巨大地震」で日本が衝撃的な有り様に…そのヤバすぎる被害規模
津波の脅威と名古屋市
南海トラフ巨大地震が発生した場合、名古屋市を襲う津波の到達時間は最短で96分とされている。津波の高さは最大で3.6mに達し、その影響は港区を中心に広がる。津波による被害は、人々の生命だけでなく、都市機能にも甚大な影響を及ぼすことが予想される。 名古屋市が作成した南海トラフ巨大地震に関する副読本によれば、名古屋市を襲う津波は、一般的にイメージされる津波とは異なるという。東日本大震災の時のような激しく海水がなだれこんでくるような津波ではなく、白波を伴わずに海面自体がじわじわと上昇するものであるということだ。そのため、見た目には気づきにくい可能性があり、ともすると気づいた時には避難が手遅れになってしまう可能性がある。そうならないために、こうした津波の特徴をあらかじめ知っておく必要があるだろう。 想定される津波による浸水地域は非常に広範にわたる。あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震想定によれば、港区のみならず、熱田区や中川区の大部分までもが津波によって浸水する可能性がある。 さらに、長時間津波の浸水がひかない「たん水」の可能性も指摘されている。浸水は、約12時間から、長いところではなんと1カ月も水が引かない可能性がある。これにより、避難や生活に大きな支障を生じることになる。 名古屋市が出している人的被害予測によれば、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震想定では、名古屋市における死者数は6700人と予想されている。そのうち、4400人が津波による死者となる。また、4400人のうち半分の2200人は港区で発生すると予測されている。