朴槿恵大統領の疑惑を追及する「特別検察官」とは? 初の現職大統領捜査へ
韓国の朴槿恵大統領の友人による国政介入疑惑で、朴大統領が窮地に立たされています。17日には、韓国の国会で、政府から独立して捜査できる「特別検察官」を任命するための特別法が成立しました。特別検察官とは、一体どのような仕事をするのでしょうか。 韓国・朴大統領の人脈「最大のタブーと認識した」 産経元ソウル支局長
17日に特別検察官設置の法案成立
特別検察官は、検察に影響を与える可能性がある大統領の家族や政府高官らが関与した不正など、政治的な中立を求められるような事件で、検察当局とは別に、国会が推薦した弁護士から任命し、捜査を行います。過半数の議員が出席した国会本会議(韓国は1院制)で過半数の賛成が必要で、17日の国会において、特別検察官任命のための法案が、与野党の賛成多数で可決・成立しました。 今回の法律によると、今後、15年以上の判事・検事経験のある弁護士2人を野党が推薦。そのうち1人を朴大統領が任命します。来月上旬にも、最長120日間かけた捜査が始まる見通しです。
捜査を受けるのは韓国現職大統領として初
韓国は、憲法により、大統領は内乱又は外患の罪を犯した場合を除いて在任中に刑事上の訴追を受けない(第84条)となっています。退任後、大統領自身や家族が捜査を受けたり、逮捕されるような事例はたびたびありますが、現職大統領として捜査を受けるのは朴大統領が初となります。 同様に、米国でも政治的な不正に関する捜査のために、特別検察官を置くことができます。過去にはニクソン大統領の「ウォーターゲート事件」の捜査などで注目を浴びました。今回の米国大統領選では、トランプ氏が選挙に勝った場合、クリントン氏の私用メール問題に対し、「特別検察官を任命する」と表明。クリントン氏にとって、この問題も選挙結果に大きな影響を与えたとみられています。 ちなみに日本では「特別検察官」にあたる司法制度はありません。