「育休を1年取ったら殺すぞ」 どうしたら防げる?“自治体トップのハラスメント問題” 原因と背景に「本人の資質と制度」
CBCテレビ
(若狭敬一キャスター) 井俣憲治東郷町長、どんな政治家なのか、改めて確認しておきましょう。 【写真を見る】「育休を1年取ったら殺すぞ」 どうしたら防げる?“自治体トップのハラスメント問題” 原因と背景に「本人の資質と制度」 (山内彩加アナウンサー) 2018年に町長に就任して、現在2期目です。 どういった政策をしてきたのか? 全保育園・小中学校にエアコンや洋式トイレを整備する。 また、妊婦や高齢者、障害者にタクシーチケットを配布するなどといったことを公約として掲げ、着実に進めてきました。 (若狭キャスター) 大石さん、進めてきた政策も実際にはあったということですね。 (大石邦彦アンカーマン) 公約を守らないトップもいる中で、公約をしっかり守ろうとする姿勢、そしてそれをホームページ上で公開していた。この部分は評価する町民もいらっしゃるかもしれません。 (若狭キャスター) 一方でマイナスの側面も大きくて、その政策を進める実行部隊の町の職員の皆さんに対するハラスメント行為があったということですね。 (山内アナ) こちらが井俣町長のハラスメント。「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」と、様々なハラスメントが指摘されているんですが、パワハラでは「お前らの脳みそはハトの脳みそより小さい」「転職したら?」「死ね」などの発言のほか、「机の上を強く手や書類ボールペンで叩く」といった行為。 またセクハラでは「朝、キスしてくるの?」「いつ子ども作るの?」といった言葉や「着ぐるみに女性職員が入っていると認識し抱きついてくる」ことも。 さらにマタハラでは「育休を1年取ったら殺すぞ」「育休を1年取った職員がいたが出世はできないな」などと発言していました。 これらは一部を抜粋したもので、ほかにも口に出すのもはばかられるような発言もありました。 (若狭キャスター) 政治家として政策を進めるプラスの面と、看過できない、ひどすぎるマイナスの面、両面があったということなんですが、どうしてこのようなことが起きてしまったんでしょうか? (大石アンカーマン) 弁護士でつくる第三者委員会は、ハラスメントが発生した原因と背景について7つあると指摘しているんですね。これは「町長本人の資質」と「制度の問題」であるということなんです。 「町長本人の資質」に関しては「厳しい指導とパワハラの誤解」「不必要な見下し発言」「ハラスメントへの知識・理解不足」「コミュニケーションの取り方が間違っている」。 井俣町長は地元の東郷町で生まれ育ち、部下には同級生もいたりするわけで、ちょっとした「いじり」が良いコミュニケーションだと勘違いしているのではないか、という指摘もありました。 そして「職員の萎縮による環境悪化」、これは町長自身の公約達成には特に厳しかったようです。 ここからは「制度の問題」になりますが、「副町長の理解・認識不足」ということで、副町長就任後に不適切発言を注意したのは5回程度、つまり歯止め役として機能していなかった。 副町長もハラスメントに対しての理解認識が不足していたのではないかということですね。 そしてもう1つ「町長のハラスメントを規制する制度なし」ということです。東郷町の規定ではハラスメントの研修を実施するよう努めなければならないとしているのですが、この対象は職員だけで「町長は対象外」ということです。
【関連記事】
- 全裸でなく下着や水着を着用へ 動画の拡散で「事件につながる恐れ」 伝統の祭りに大きな変化
- 元TOKIO山口達也さん(51)が語ったアルコール依存症の苦しみ 「2年間飲まなかったのに 一気に1.5リットル飲んでバイクにまたがった」
- 14歳で妊娠 交際相手は「LINEで『逃げます』と…」22歳のシングルマザー 息子は6歳でこの春小学生に
- “絶対に見てはいけない祭り”を300年の歴史で初めて撮影 画面越しに見るのは問題ないという愛知県田原市の「寝祭り」
- 「娘の顔が分からなくなってきた」5回目のワクチン接種後に体調不良 手足に力が入らず字も書けない“記憶障害”も… “打たざるを得ない”医療機関の事情【大石邦彦が聞く】