渋野日向子、池の縁から「完璧ショット」で3位浮上につなげる…畑岡奈紗は予選落ち
【サマミッシュ(米ワシントン州)=帯津智昭】女子ゴルフの今季メジャー第3戦となる全米女子プロ選手権は21日、米ワシントン州サマミッシュのサハリーCC(パー72)で第2ラウンドが行われ、4位から出た渋野日向子は4バーディー、2ボギーでスコアを二つ伸ばし、通算4アンダーで3位に浮上した。山下美夢有は3アンダーで6位につけた。古江彩佳、勝みなみは1オーバーの23位、全米女子オープン選手権を制した笹生優花はカットラインの5オーバーの64位で決勝ラウンドに進んだ。7オーバーだった畑岡奈紗は予選落ち。サラ・シュメルゼル(米)と梁煕英(韓国)がともに6アンダーで首位。 【写真】2番で池の縁から「完璧ショット」を打つ渋野
渋野を応援する日本人ファンがつぶやいた。「これがシブコ劇場だよ」。渋野自身、「かなりドラマのある18ホールだった」と振り返った第2ラウンド。スタートからの3連続バーディーで勢いに乗り、後半はしぶとく耐えた。
ホールアウト後の公式記者会見で海外メディアからも質問が相次いだのは、パー5の2番についてだった。ミスショットだった第3打でボールがグリーン手前の池の縁に落ちた。ただ、水没はしておらず、「めちゃくちゃラッキー」と思った渋野はそこからグリーンを狙った。バンカーから打つイメージで両脚を少し開いて構え、ボールを浮かせてピンそばに運んだ。
「イメージを湧かしに湧かして、必死にひねり出した。完璧と言ってもいいぐらいのショット」。運と実力がかみ合ってパーセーブ。3位浮上につながる貴重な一打だった。
初日に5オーバーと出遅れた畑岡は、17番で痛恨のダブルボギーをたたくなどスコアを落とした。「首のけがもあって、なかなか思い切ったゴルフができなかった」と明かした。予選落ちとなり、「正直、こういう結果になるのは想像していなかった」。パリ五輪の日本代表争いは今大会の結果で決着する。9位だった2021年の東京大会に続く五輪出場は厳しくなった。