jo0jiワンマンツアー完遂、クリエイティブの深度を示した「歌」の空間
オーディエンスの心と声を完全に解放させた
そこからすべての持ち曲に加えて、YouTubeやTikTokにデモを公開している楽曲を4曲と未発表曲2曲、計18曲を披露。曲を重ねるごとにjo0jiの「歌」の力はどんどん増していき、その魅力に全身を奪われるようだった。 “貴方”が生きていることを讃えて優しい気持ちを取り戻させてくれる「ランタン」では会場に集まったすべての人と手をつなぐかのような歌の包容力が爆発し、かと思えば、冒頭から4つ打ちになるアレンジが施されたライブバージョンの「眼差し」では、jo0jiの存在がステージ上で「孤」に見えた。jo0jiの曲は、友達に宛てる手紙のようなものあれば、彼自身の吐露を見させてもらうようなものもあって、それが「つながり」と「孤」が表出するもととなっているのだとは思うが、そもそも誰かと一緒に盛り上がれたと思えば孤独になるのが現実そのものであり、その対比を行き来できるjo0jiの歌に、とにかく心が揺さぶられていた。 本編最後の3曲も、圧巻だった。地面の水たまりに街の光が映る景色を背負いながら語りかけるように歌った「雨酔い」、社会でバッテンを付けられそうになった友達に向けて“言葉なんかに/吹かれて消えるような光ではない”などと、説教くさくなく心にスッと入る言葉で「大丈夫だから」と伝える、jo0jiにとっての始まりとなった名作「不屈に花」、最後は映画のエンドロールのように壮大に広がっていく音とともに幕を閉じた「駄叉」。これは友人の失恋をきっかけに書いた曲だというが、jo0jiの死生観が溢れ出ていたこの日のステージの締めくくりとして聴くと、“この胸の痛みを、/日々に溶かして/空に撒いて、/空のひとつでも咲かせましょうか”などから、インタビューで語ってくれた「誰かの死は“乗り越える”ものでものなく、そういうものだと共存していくこと」といった彼の深い想いまでも垣間見えた。 アンコールでは、これからも自分を見失わずに音楽を作っていく意志を込めた新曲を届けた。そして、最後の「≒」がまた素晴らしかった。情けなさもどうにもならんことも撒き散らして、それでも人間の愛おしさを歌う。“一切合切放り出したっていいよ/いつまで俺が味方でいよう”から始まるラストスパートはあまりにエモーショナルで、オーディエンスの心と声を完全に解放させている空気がフロアに充満していた。 「歌」とは、社会や人間のリアルを映し出すもの。聴き手の心を在るべき場所へとそっと戻してくれるもの。明日を生きるきっかけと指針をくれるもの。jo0jiの歌とはまさにそういったものであり、この先もきっと多くの人の人生を、心の深いところから支えるのだろうと私は感じている。 <INFORMATION> FM802 35th Anniversary “Be FUNKY!!” × Juice Supported by Rolling Stone Japan 2025年2月11日(火・祝)大阪・Zepp Namba Juice supported by Rolling Stone Japan 2025年2月16日(日)東京・Zepp Haneda 出演:imase、jo0ji、なとり オフィシャル二次先行:2024年11月5日(火)18:00~2024年11月10日(日)23:59 jo0ji 『ワークソング』 配信中 『jo0ji 2man tour 馴染』 2025年3月7日(金)大阪・梅田 CLUB QUATTRO 2025年3月14日(金)愛知・名古屋 BOTTOM LINE 2025年3月21日(金)東京・Shibuya Spotify O-EAST チケット料金:¥6000 ※ドリンク代別途 ※小学生以上有料/未就学児童入場不可 オフィシャル先行:2024年11月9日(土)21:00~11月24日(日)23:59
Yukako Yajima