部員数減→合同チーム増…表面化するレベル差 選手の“気後れ”なくす「能力別指導」
高校野球目指す選手サポート…硬式の練習環境を準備
中学卒業後に高いレベルを目指す選手には今年度から、硬式に慣れる環境を整える。3年生にとって、部活は6月に開催される大会が最後の舞台。全国大会に進めれば8月まで活動は続くが、選手たちは早ければ6月で引退となる。高校の野球部に入部するまでの約10か月間、自主練習をするしかないのでは、ブランクを不安に感じて中学で野球をやめてしまう可能性もある。 そこで、川口クラブは市内の高校に協力を求め、グラウンドが空いている時は借りられるように調整を進めている。また、川口市営球場も活用して硬式で練習し、高校に向けた準備期間を設けようとしている。武田GMは「部活動だけでは、一番体が大きくなって伸びる時期に野球をやっていないことになってしまいます。クラブとして選手をサポートしたいと思っています」と話す。 昨年までの2年間は、東京都江戸川区にある中学生硬式野球クラブ・東京江戸川ボーイズと提携し、部活を引退した川口クラブの3年生が練習に参加していた。ただ、選手の数が増えると指導者の負担は大きくなることから、別の方法でも硬式の練習ができる方法を探した。 「野球部としても、川口クラブとしても、1人でも多くの選手が先のステージまで野球を続けてほしいと思っています」と武田GMは話す。野球の競技人口減少に歯止めをかけるには、少年野球と高校野球の橋渡しとなる中学生の軟式野球が担う役割は大きい。
間淳 / Jun Aida