中国人は長いのがお好き! セダンだけじゃなくSUVまで「L」が付くクルマが登場する事態
中国では「L」がつくモデルが人気
アウディは2024年4月24日、北京モーターショー(北京国際汽車展覧会/オートチャイナ)開催のタイミングでクロスオーバーSUVスタイルのBEV(バッテリー電気自動車)「アウディQ6 eトロン」のロングホイールベースモデルとなる「Q6L eトロン」を発表した。 【画像】中国市場で販売された「L」モデルの画像を見る(8枚) Q6 eトロンは2024年3月にワールドデビューしている。そんなQ6L eトロンは中国・長春の新工場で生産予定となっており、2025年よりデリバリー開始予定だ。中国的には「全球首発(ワールドプレミア)」としているようだが、このロングホイールベースモデルは、現地合弁会社の「一汽奥迪(FAWアウディ)」で生産される中国専売車となっている。 先にデビューしたQ6 eトロンを標準車とすれば、Q6L eトロンは標準車に対してホイールベースが105mm延長されている。アウディに限らず中国ではメルセデス・ベンツやBMWなどのドイツ系ブランドのほか、日系、欧州、中国系など広く中国限定ともいえるロングホイールベースモデルをラインアップしている。ホイールベースの延長分はおもに後席足もとスペースの拡大にあてられるのが一般的。 「新興国あるある」だが、官庁や企業では業務による移動のため運転手付きで社用車を多く所有している。そして一定役職以上や、取引先などを引率する場合などで運転手付きの社用車が使われる。つまり、先進国よりも運転は運転手に任せて、後席でくつろぐという乗り方が目立っており、そのときに足を組んでも快適に乗れるよう、ロングホイールベースが用意され、それが中国では歓迎されているのである。 ストレッチモデル(ホイールベースを長くしたクルマ)といえば、セダンを連想しやすいが、中国ではクロスオーバーSUV、ミニバンをはじめコンパクトハッチバックなど、広くロングホイールベースモデルが用意されている。官庁や企業の偉い人が「Lモデル」に乗っていると世間に伝わると、必要かどうかは別として「●●L」と車名の最後に「L」をつけるとウケがよくなったのがその背景にあるようだ。 興味深いのはQ6L eトロンのプレスリリースを見ると、「ホイールベースの延長により、さらに大型のバッテリーの搭載が可能となった」として、CLTCでの航続距離は700kmを超えることも可能としていると記されている。さらには、車名につくLはロングホイールベースだけではなく、長距離性能を備えたモデルであることも表しているともしているようだ。車両電動化が進むなかで、Lモデルの新たな存在価値が生まれている。