<真矢ミキ>還暦を迎え「新しい世代の新人です」 経験と課題に支えられ、今は「自分に正直でいい」とラクに
しかし、いざ誕生日を迎えると40代、50代に感じた60代を迎えることへの怖さはなくなったという。
「『60歳のテープを切ると、こんなに肩の力を抜くことができるんだ。これは本気の大人じゃん!』と、とてもラクになりましたね。自分に正直でいいんだという感覚です。強がりでもなく、まだ若いんだとあらがうこともなく。
今までのような恐怖心がなぜないのか。それはそんなに難しいことじゃなくて、“柔らかい覚悟”のようなものが自分に根づいていたということかもしれません。
人に話すまでもないような……これがいいと思ったけどよくなかったとか、あれは自分のエゴだったかなとか、みなさん、いろいろあると思います。私にも、あります。それをひっくるめて今の私なんだという、経験という“柔らかい覚悟”。
あとは、自分のこういうところを改善したいなという課題。課題は自分を育ててくれる素晴らしい感情だと思うので、その課題を楽しみながら、日々、進んでいます。今は、自分が人にどう見えるかとか、人がこういう私を好きだとかいうことではなく、自分がこう生きたいという姿を軽やかに表現していたいですね」
また、「どの世代でも最初の1年はまだビジター。新しい世代の新人です。今はもう一つ上の世代の方々の個性がすてきに見えて仕方がない」と言う。
「60代は一人一人が個性で堂々と立っていられる年齢という気がします。無個性という個性でもいいから、『これまで生きてきたら、自分はこんな服装で、こんな存在として立っていた』という証が見えてきたらいいですね」
*……「TOKYO VICE」は、東京の大学を卒業し、日本の大手新聞社で警察担当記者となったアメリカ人青年ジェイク(アンセル・エルゴートさん)と、ヤクザ絡みの事件を担当する刑事、片桐(渡辺謙さん)を中心にした物語。シーズン2では、ジェイクが自分や身近な人々の命が恐ろしい危機にさらされていることに気づく。真矢さんは片桐の相棒となる警視・長田を演じた。WOWOWで毎週土曜午後9時放送・配信中。シーズン1(全8話)はWOWOWオンデマンドで配信中。