コロナ禍を経て日本のホテルは何が変わったか ホテル評論家・瀧澤信秋
黒木)ここ数年はインバウンドの増加もあって、高級ホテルの建設が飛躍的に増えているようですが。 瀧澤)高級ホテルはクローズアップされるので増えているイメージがありますが、客室数では、圧倒的にビジネスホテルの増加が激しいです。 黒木)前回も、ビジネスホテルではあるけれど、いいホテルがあると教えていただきました。 瀧澤)それがさらに飛躍しています。ビジネスホテルと呼ぶのが申し訳ないようなホテルが増えています。 黒木)前回は群馬県高崎市にあるビジネスホテルが素晴らしいとおっしゃっていましたが、そういうホテルが増えているのですか? 瀧澤)高崎のホテルはすごく人気が出ましたが、その後、そのホテルに追いつけ追い越せというホテルが高崎に誕生しまして、現に追い越しています。口コミも高いです。しかも駅から歩いて十数分掛かるのに、追い越しています。 黒木)どうしてですか? 瀧澤)徹底的に高崎駅の人気のホテルを研究して、ないものを全部入れようと努力したのですね。 黒木)そういった意味でも競争が激しく、いいホテルが生まれてきているのですね。 瀧澤)他にないもの、いままでにないものをどんどんやろう、先手を打ってやろうというのがホテル業界です。差別化と競合、競合と差別化をくり返しているのです。
瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)/ホテル評論家 ■法律事務所、会計事務所等の勤務を経て、経営コンサルタントの会社を設立。 ■2000年ごろから各地への出張の折に利用したホテルの宿泊レポートをブログで執筆。 ■2007年ごろからメディアへの取材対応をはじめ、「ホテル評論家」として活動。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底し、数多くのメディアに出演。 ■評論対象はラグジュアリーホテル、デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡り、ホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題まで幅広い。