中村喜四郎氏「心から感謝」 当選15回、国会に別れ 茨城
長年にわたり国政の場で活躍し、今期限りの引退を表明していた立憲民主党の中村喜四郎氏(75)=比例北関東、当選15回=が9日、慣れ親しんだ国会に別れを告げた。同日午後には「大変長い間、政治活動を続けてこられたのは、多くの国民の皆さんの深い理解とお力をいただいたおかげ」と謝意を示した。 中村氏は茨城県境町出身。田中角栄元首相の秘書を経て、1976年の衆院選で初当選。自民党で建設相や科学技術庁長官、党総務局長などを歴任した。94年にゼネコン汚職事件で逮捕され、実刑判決が確定して失職したが、2005年衆院選に無所属で出馬し返り咲いた。 40年以上にわたって毎週末、選挙区内を駆け巡り、政治のモットーとして掲げた「自ら汗をかく」を体現してきた。選挙区では05年以降、自民党の永岡桂子氏と過去6回にわたって激しい選挙戦を展開。後援会「喜友会」とともに「党より人」を掲げ、選挙戦ではバイクで選挙区内を巡る独特のスタイルで支持を得てきた。国会議員では、小沢一郎衆院議員(比例東北)の当選18回に次いで多く、選挙区で14回の当選を重ねてきたことから「無敗の男」とも呼ばれた。 引退表明会見では、「与野党伯仲が実現できると確信した。心身ともに健康なうちに政治家を辞めるべきだ」と語った。 長年通った議場を後にするに当たり、中村氏は「無事に任期を全うできたこと、素晴らしい政治活動ができたことに心から感謝します。本当に長い間、ありがとうございました」と述べた。 今後については「政界を引退しても投票率アップの国民運動を続けながら、草の根で日本の民主主義を支えていきたい」と展望を語った。
茨城新聞社